チェンマイのコムローイ祭り(イーペン祭り)。
正式には「イーペン」祭りと言い、このお祭りはランタン(コムローイ)上げだけではありません
(ランタンだけじゃないの?そもそもコムローイ祭りってなに?イーペンって?って方はこちらをぜひよんでくださいね)
「街なか」では、華やかなパレードが行われ、ステージではいろいろなイベントが企画されています。
「街なか」でのイベントはもちろん無料!街歩きしながら、タイの人も、観光客も一緒に楽しめます。

この記事では、そんな「街なかイベント」にスポットを当て、その日程スケジュールや見所をまとめました。

* この記事の内容は2024年に開催されたお祭りの内容です。
 2025年も2024年と同等のイベントが開催されると思われます。
 2025年のイベントスケジュールは分かり次第記事を更新します!

この記事を読めば、以下の全てがわかります

これがわかる!

・ランタンあげ以外のコムローイ祭りの楽しみ方
・ひと目でわかる主要イベントのタイムテーブル
・パレードやイベントの概要、観光のポイント

そもそもコムローイ祭りって何?という方はこちらから

なにはともあれ!主要イベントスケジュール早見表

コムローイ祭り期間のターぺ門のかざり。ターペーもんはパレードの出発地点です

まずはイベントスケジュールを表にしました。
場所と時間の確認にどうぞ。

* 以下は2024年の開催例を基に作成したものです。
2025年のスケジュールが発表され次第差し替えますが、
時間は変更される可能性があるため、ご旅行の際は最新の情報をご確認ください。

イベントスケジュール早見表

日付時間イベント名場所
11月14日 (木)
*前日/前夜祭
08:00プラプーム祠 (Phra Phum Shrine / ศาลพระภูมิ)とジェディー・カーオ (Chedi Khao / เจดีย์ขาว)への供養チェンマイ市役所、ジェディー・カーオ
09:00ピン川への謝罪の儀式 (พิธีขอขมาแม่น้ำปิง)シーコーン船着場 (ท่าน้ำศรีโขง)
16:00ランナー・イーペンランタン・コンテスト (โคมยี่เป็งล้านนา)ターペー門広場
18:00イーペン祭り2024 開会式ターペー門広場
18:00クラトン・サーイ(灯篭流し)の儀式 (Krathong Sai / กระทงสาย)市役所前ピン川沿い
19:00イーペン美人・美男コンテスト (เทพี – เทพบุตรยี่เป็ง)ターペー門広場
20:00光と音のマルチメディアショー&花火市役所前ピン川沿い(シーコーン船着場)
11月15日 (金)18:30サパオ・ラーンナー行列コンテスト(パレード) (Sapao Lanna Parade / ขบวนแห่สะเปาล้านนา)ターペー門 ~ チェンマイ市役所
19:00リトルイーペンコンテスト (หนูน้อยยี่เป็ง)チェンマイ市役所
11月16日 (土)10:00生花バナナの葉クラトンコンテストチェンマイ市役所
19:00グランド・クラトン・パレード(国王杯パレード)ターペー門 ~ チェンマイ市役所
期間中毎日夕方~「ターム・パーン・パティード」お堀や城門での点灯旧市街のお堀、四つの城門、三王記念碑広場
終日ランタン装飾・光のアーチ点灯ターペー門からターペー通りにかけて
終日「光の祭典」クローン・メー・カー運河ライトアップナイトバザール地区メーカ運河沿い

*横方向にスクロールできます。

*上記は2024年の開催を基に作成したものです。
2025年のスケジュールが発表され次第差し替えますが、
時間は変更される可能性があるため、ご旅行の際は最新の情報をご確認ください。

【場所別】イベントスケジュール早見表

場所日付時間イベント名
ターペー門広場11月14日(木)16:00ランナー・イーペンランタン・コンテスト (โคมยี่เป็งล้านนา)
11月14日(木)18:00イーペン祭り2024 開会式
11月14日(木)19:00イーペン美人・美男コンテスト (เทพี – เทพบุตรยี่เป็ง)
パレードルート
(ターペー門 ~ 市役所)
11月15日(金)18:30サパオ・ラーンナー行列コンテスト(パレード) (Sapao Lanna Parade / ขบวนแห่สะเปาล้านนา)
11月16日(土)19:00グランド・クラトン・パレード(国王杯パレード)
チェンマイ市役所
&ピン川沿い
11月14日(木)08:00プラプーム祠 (Phra Phum Shrine / ศาลพระภูมิ)への供養
11月14日(木)18:00クラトン・サーイ(灯篭流し)の儀式 (Krathong Sai / กระทงสาย)
11月14日(木)20:00光と音のマルチメディアショー&花火
11月15日(金)19:00リトルイーペンコンテスト (หนูน้อยยี่เป็ง)
11月16日(土)10:00生花バナナの葉クラトンコンテスト
シーコーン船着場11月14日(木)09:00ピン川への謝罪の儀式 (พิธีขอขมาแม่น้ำปิง)
旧市街各所期間中毎日夕方~「ターム・パーン・パティード」お堀や城門での点灯
期間中毎日終日ランタン装飾・光のアーチ点灯
メー・カー運河期間中毎日終日「光の祭典」運河ライトアップ
ジェディー・カーオ11月14日(木)08:00ジェディー・カーオ (Chedi Khao / เจดีย์ขาว)への供養

*横方向にスクロールできます。

*上記は2024年の開催を基に作成したものです。
2025年のスケジュールが発表され次第差し替えますが、
時間は変更される可能性があるため、ご旅行の際は最新の情報をご確認ください。

【イベント解説】絶対に見逃せない!無料イベントハイライト

【2日目】終わらない?!壮麗なるパレード
街なかイベントの主役、グランド・クラトン・パレード!

いきなりファイナルのイベントのご紹介になりますが、お祭りのトリだけに、街なかイベントで一番の見どころになるのがこのパレードです。

この「グランド・クラトン・パレード (Grand Krathong Parade / ขบวนแห่กระทงใหญ่)」は単なるパレードではなく、格式高い国王杯をかけた、チェンマイの各団体が技術とアイデアを競い合うコンテストでもあります。

山車の大きさは圧巻で、中には2階建ての建物ほどに達するものもあります。チェンマイ大学の学生や、地域のコミュニティ、企業など、20を超える団体が参加し、何か月もかけて準備した力作が揃います。

タイらしい仏教や神話をモチーフにした山車はもちろん、チェンマイ在住者会による国際色豊かな山車もみられます。
アメリカ、ドイツ、そして日本も!
チェンマイ大学には日本語学科もありますし、浴衣を着たメンバーが山車から手を降ってくれる様子は、日本人ならやはり嬉しくなってしまいますね。

パレードは、祭りの最終日の夜19:00頃に、旧市街のターペー門 (Tha Phae Gate / ประตูท่าแพ) を出発するのが通例です。そこからターペー通りを通り、ピン川沿いのチェンマイ市役所前まで、数時間かけて進みます。

さて、このパレードですが、どこで見るかで作戦が少し変わってきます。

出発地点のターペー門周辺は、活気があって一番盛り上がりますが、その分、大変な混雑になります。

もし、山車をじっくり見たり、写真を撮ったりしたいなら、審査のために山車が長く停まるゴール地点の市役所前まで行ってみるのが良いかもしれません。

しかし、山車と一緒に市役所前まで歩いてくる見物人の数もかなりになるので、市役所あたりも時間が経つごとに人が多くなってきます。

パレードがよくみえる道沿いのレストランの2階などはすぐ満員になります。
おちついてパレードを「眺めたい」と言う人は、早めにレストランの目星をつけて予約をしましょう。

数時間にわたるイベントなので、道でパレードを見る場合は飲み物を用意しておくと安心ですね。
お手洗いは、開いているお寺の境内にいけばあります。
また、多くの人で混み合いますから、手荷物は前に抱えるなど、貴重品の管理には気をつけてくださいね。

【1日目】厄を祓い、故人を想う
伝統を今に伝えるもう一つのパレード「サパオ・パレード」

祭りのクライマックスが「グランド・クラトン・パレード」なら、その前夜を彩るもう一つの主役が、この「サパオ・ラーンナー・パレード・コンテスト」 (Sapao Lanna Parade / ขบวนแห่สะเปาล้านนา)です。

このパレードの山車は、すべてが「サパオ (Sapao / สะเปา)」と呼ばれる、ランナー様式の伝統的な船をかたどっています。

元々は、仏陀への信仰を示すとともに、自らの不運や病気などの災いをこの船に乗せて遠くへ流してしまう、という「厄払い」の意味合い、そして、故人へ功徳を捧げ、来世で使うものを準備するという意味合いも持ち、船には、炊いたご飯、バナナ、刻んだサトウキビ、ちまき、砂糖、塩、タバコ、ビンロウ、キンマ、花、線香、ろうそくなど、日常生活で使われる品々が乗せられます。

実際に目にすると、グランド・クラトン・パレードの現代的で華やかな山車とは一味違い、こちらの主役は、竹や色とりどりのサーペーパー(桑の木の皮から作られる紙)で、地域のお寺やコミュニティの人々が手作りした、温かみのある船です。派手な電飾よりも、ランタンやロウソクの自然な灯りが中心で、伝統的な楽器の穏やかな音色と共にゆっくりと進む様子は、どこか懐かしく、心穏やかになる光景です。

規模はグランド・クラトン・パレードに一歩譲るため、沿道の混雑も比較的緩やか。

最前列で見るチャンスも十分にありますし、小さなお子様連れのご家族でも、少し安心して楽しめるかもしれません。
このイーペンの時に「チェンマイらしい雰囲気に浸りたい」「伝統のある儀式が好き」という方には、こちらのパレードの方が心地よく感じられるかもしれません。

グランド・クラトン・パレードはお祭りの最終日(2日目)、そしてこのサパオ・パレードはその前日(お祭りの1日目)に行われるため、ロイクラトーンの2日目に有料会場へ出かけると言う方は、こちらのパレードを観覧してはいかがでしょうか。

【全日】ピン川でのロイクラトン:地元の人々と共に祈りを捧げる場所

チェンマイのイーペン祭りは、空に舞うコムローイ (โคมลอย / Khom Loi) と、川面を流れるクラトン (กระทง / Krathong) という二つの美しい光に彩られます。
コムローイあげが有名になったため、コムローイ祭りといわれていますが、コムローイとクラトンの「イーペン祭り」と覚えてくださいね
(詳しくはこちら”「浄化」と「願い」イーペンの物語|知れば旅がもっと感動的になる歴史と文化“をぜひ読んでください)

クラトンとは、日本でいう灯籠流しのようなもの。
人々の祈りを乗せたそのクラトンを水に流す儀式が最も華やかに繰り広げられるのが、ピン川 (แม่น้ำปิง / Mae Nam Ping) のほとりです。

特にメインとなるナワラット橋 (สะพานนวรัฐ / Saphan Nawarat) や、レトロな雰囲気で知られる鉄橋ことサパーンレック (สะพานเหล็ก / Saphan Lek、現地ではขัวเหล็ก / Khua Lekとも呼ばれます) の周辺では、地元の人々や観光客が数多く集まり、とっても賑やか!

川沿いの道には、色とりどりの花やバナナの葉で丹念に作られた、大小様々なクラトンを売る店がずらりと並んでいるので、そこで購入すれば大丈夫!ライターも売っています。

みんな思い思いのクラトンを手に取り、ろうそくと線香に火を灯し、川に向かって静かに手を合わせます。
これは、一年間の水の恵みに感謝し、川を汚してしまったことを水の女神であるプラ・メー・コンカー (พระแม่คงคา / Phra Mae Khongkha) に謝罪すると共に、自らの厄や不運を洗い流し、未来の幸福を願うための神聖な儀式です。
クラトンには色々な種類があり、付いている飾りもさまざまですので、あなたもお気に入りのクラトンを購入して、ぜひ厄を流してくださいね!

祈りを終えた人々が、そっとクラトンを水面に浮かべると、無数の光の点が川の流れに乗ってゆっくりと漂い始めます。一つ、また一つと増えていく光は、やがて雄大なピン川を埋め尽くし、まるで光の天の川のようにきらめきます。その幻想的な光景は、見る人の心を深く打ち、言葉を失うほどの美しさです。

岸辺にはたくさんの屋台も並び、美味しそうなタイ料理の香りが漂うなど、お祭りならではの活気も楽しめます。

【祭りの夜を安全に楽しむために】

  • 川岸付近は大変混雑し、夜は足元が暗い場所もありますので、水際に近づく際は転倒などに十分ご注意してください。
  • また、川辺や橋の周辺では個人的に花火やコムローイを上げる人がおり、煙が立ち込めることがあります。喉が弱い方は特に気をつけて!マスクがあると快適に過ごせます。
  • ピン川沿いはもちろん、市街地では安全上、コムローイをあげることは禁止されています。
  • 以前は禁止されているだけで、あげている人たちの姿はたくさんみえましたが、年々警察の取り締まりも厳しくなってきています。
  • 2024年年末には、日本人男性が警察にコムローイを取り上げられ激昂、無礼な態度をとったため逮捕に至っています。

【全日】新旧の魅力が交差する。
モデルは小樽運河のクローン・メー・カー運河の「光の祭典」

イーペン祭りの伝統的な会場とは少し趣が異なりますが、近年、特に地元の若者や写真好きの間で人気を集めているのが「クローン・メー・カー (Khlong Mae Kha / คลองแม่ข่า)」です。

以下の動画はコムローイ期間中のメーカー運河の様子。クラトンを流している様子が見られます。
いつもよりもずいぶん賑やかです!

ここは数年前に美しく生まれ変わった運河沿いのエリアで、日本の小樽運河をモデルの一つとして景観改善が行われました。日本人としては親しみが湧きますね。

イーペン祭りの期間中は「光の祭典 (Festival of Light Mae Kha & Night Bazaar)」と題したイベントが開催されます。

この祭典の魅力は、単に運河沿いがライトアップされるだけではありません。
「光のインスタレーション」と呼ばれる、テーマ性を持った光のアート作品が設置され、訪れる人々の目を楽しませてくれます。

運河の両岸に並ぶ、昔ながらの面影を残す木造家屋と、モダンな光のアートが水面に映り込みます。
お店の数は決して多くはありませんが、運河沿いに並ぶお店で食事をしたりのお酒を飲んだりスィーツを楽しむことも可能。お土産やさんもあります。

期間中、会場では「地元の手工芸品ワークショップ」が開かれ、自分で小さなクラトンを作ったり、ランナー様式のランタンに絵付けをしたりといった体験ができます。
「運河の歴史を学ぶコミュニティウォーク」といった催しもあり、この場所がどのようにして生まれ変わったのか、その物語に触れることもできるのです。

さらにロイクラトンの伝統である灯籠流しも体験できます。
運河にはクラトンを流すための専用エリアがチェンマイ子により設けられており、ピン川の混雑を避けて、比較的落ち着いた雰囲気の中で自分のクラトンを流すことが可能ですので、小さなお子さん連れにおすすめできます。(運河沿いはフェンスなどはないので、気をつけて歩いてくださいね)

ナイトバザールや、チェンマイ門から歩いて行ける立地で、夕食後に散策しながら、光のアートを楽しみむのもいいかもしれません。

【0日目】祭りの始まりを告げる、神聖な朝の儀式

イーペン祭りの賑やかなイベントが本格的に始まる前日、祭りの成功と安全を祈願する、とても大切な儀式が早朝の静けさの中で執り行われます。
これは、チェンマイ市長をはじめとする市の関係者が出席する公式な行事で、二つの場所で、それぞれ異なる対象への祈りが捧げられます。

まず、一行が向かうのは、チェンマイ市役所の敷地内にある「プラプーム祠 (Phra Phum Shrine / ศาลพระภูมิ)」です。
タイでは「サーン・プラプーム」と呼ばれる、とても大切な「土地の神様の家(スピリットハウス)」のことで、どんな土地にも、そこを守る神様が宿っていると信じられています。
色鮮やかな花輪や線香を手に、関係者一同が「これからお祭りを始めさせていただきます。どうぞ、無事に終わりますようお見守りください」と、まずは土地の神様へ静かに手を合わせます。

土地の神様へのご挨拶が終わると、一行は市役所の敷地のすぐ外の三叉路にある真っ白な仏塔「ジェディー・カーオ (Chedi Khao / เจดีย์ขาว)」に向かいます。

ここでは、仏教の教えに敬意を表し、お釈迦様への祈りを捧げます。
土地の神様への信仰と、仏教への敬虔な祈り。この二つが自然に融合しているところに、タイらしい文化の奥深さを感じることができますね。

この一連の儀式は、観光客向けのものではありませんし、派手なものは何一つありません。
少しの市民とお役所の関係の人たちが行う儀式です。
ですが、観光客でも見ることはもちろんできますし、市役所の敷地にも入れます。
もし朝の散歩がてらピン川沿いを…という時にはこの静かな「オープニング」を見守ってみてください。華やかなお祭りが、こうした静かで敬虔な祈りから始まっていることを知ると、チェンマイのイーペン祭りが、より一層、心に残る旅の思い出になるはずです。

まとめ:無料でも楽しみいっぱい!
コムローイ祭りの街なかイベント

どうでしたか?時系列が逆になってしまいましたが汗、盛大なイベント順に紹介をしてみました。

お祭りの期間中、チェンマイの旧市街は、まるごと光の芸術作品のように姿を変えます。ターペー門周辺に設置される、精巧なランナー様式のランタン(โคมล้านนา)が連なる壮大な光のアーチは、絶好の記念撮影スポット!

また、旧市街を囲むお堀の周りをゆっくりと歩いてみてください。

何万もの「パーン・パティード」と呼ばれる素焼きの小さな灯明皿に火が灯され揺れています 。
これは特定の時間を狙うイベントとは違い、期間中いつでも楽しめるのが嬉しいポイントです。

チェンマイのコムローイ祭りは、有名なコムローイ上げだけでなく、街なかに無料で楽しめる魅力的なイベントが溢れています。

  • まずスケジュール表で、見たいパレードやショーの時間をチェック!
  • 少し足を延ばして、クローン・メー・カーを楽しむのもおすすめ。
  • 空いた時間には、ライトアップされた旧市街やお堀を散策。

この記事を参考に、あなただけの最高のコムローイ祭りプランを立てて、忘れられない思い出をたくさん作ってくださいね。