現在、日本からチェンマイへと直行便が出ているのは、関空だけ。
直接チェンマイへという方よりも、バンコクからチェンマイへ来る方の方が多いかもしれません。
そしてチェンマイからバンコクへと向かい帰国、はたまた別の国へと….という方もまた多いはず。

タイの首都バンコクと、古都チェンマイ。

この約700km離れた2つの大人気都市を結ぶ旅、
「どうやって移動するのが一番いいの?」
と迷ってしまいますよね。

この記事を読めば、あなたの旅のスタイルやフィーリング、予算にぴったりの移動手段が分かります。

これがわかる!

・飛行機、鉄道、バス、それぞれの料金・所要時間・メリット/デメリット
・「時間優先」「費用重視」「旅の体験を楽しみたい」など、目的別のおすすめ移動手段
・各交通機関の具体的な予約方法と、知っておきたい注意点
・バンコクとチェンマイ、それぞれの空港や駅から市内へのアクセス方法

3つの移動手段 徹底比較早見表

まずは、飛行機、鉄道、バス、それぞれの特徴を比べてみましょう。
全体像をつかむことで、自分に合った選択肢が見えてきます。

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項目飛行機鉄道(寝台列車)バス(VIPバス)
所要時間約1時間15分~1時間30分約12時間~15時間約9時間~11時間
料金(目安)片道 8,500~10,000円片道 3,500~6,600円片道 2,500~5,000円
メリット– 移動時間が圧倒的に短い
– 早期予約やLCC利用で安価になることも
– 移動自体が旅の体験になる
– 車窓からの景色を楽しめる
– 宿泊費を1泊分節約できる
– 料金が最も安い
– VIPバスは非常に快適
– 鉄道より所要時間が短いことが多い
デメリット– 空港と市内の移動に時間と費用がかかる
– 手荷物制限が厳しい
– 移動時間が最も長い
– 人気の新型車両は予約が困難
– 貴重品の管理に注意が必要
– 渋滞による遅延の可能性
– 旅情は鉄道に劣る
こんな人に
おすすめ
時間を最優先したい人、短期滞在の旅行者移動のプロセスを楽しみたい人、ユニークな体験を求める人費用を最大限に抑えたい人、効率よく夜間移動したい人

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飛行機での移動 – 時は金なり、スピードを最優先するあなたへ

バンコクには空港がふたつ!
エミ@弾丸アクティブトラベラー

限られた時間で旅行するなら、やっぱり飛行機が一番手っ取り早い!
LCCをうまく使って費用を抑えるのも手です。

バンコク⇄チェンマイの飛行機での移動

バンコクとチェンマイ間の移動で、飛行機は文句なしに最速の手段です。
フライト時間はわずか1時間半ほど。
タイ・エアアジア(Thai AirAsia)をはじめ多くの格安航空会社(LCC)が就航しており、セールや早めの予約を利用すれば、驚くほど手頃な価格でチケットが手に入ることもあります。

利用する空港を理解しよう!

チェンマイに空港は一つですが、バンコクには2つの空港があります。
予約時には必ず空港名と空港コード(BKKまたはDMK)を確認しましょう。

チェンマイ国際空港
(Chiang Mai International Airport / ท่าอากาศยานเชียงใหม่) (CNX)
チェンマイ側の空港は一つだけです。
市内中心部から約4〜5kmと非常に近く、アクセスが便利なのが特徴です。

バンコク・スワンナプーム国際空港
(Suvarnabhumi Airport / ท่าอากาศยานสุวรรณภูมิ) (BKK)
タイの玄関口となる巨大な国際空港で、日本からの直行便の多くはここに到着します。
タイ国際航空やバンコクエアウェイズといったフルサービスキャリアや、一部のLCC(タイ・ベトジェットエアなど)が利用します。

バンコク・ドンムアン国際空港
(Don Mueang International Airport / ท่าอากาศยานดอนเมือง) (DMK)
LCCの拠点となっている空港です。
タイ・エアアジアやノックエア、タイ・ライオン・エアなど、チェンマイへの国内線が多数就航しています。

バンコクでの乗り継ぎの注意点
スワンナプーム空港⇄ドンムアン空港

もしバンコク内で、スワンナプーム空港到着→ドンムアン空港出発のように空港間を移動する必要がある場合、つまり、

  • 日本などからバンコクのドンムアン空港に到着し、チェンマイにいくためにスワンナプーム空港に移動する時
  • 日本などからバンコクのスワンナプーム空港に到着し、チェンマイに向かうためにドンムアン空港に移動する時
  • チェンマイからバンコクのドンムアン空港に到着し、さらに日本に帰国したり別の国にいくためにスワンナプーム空港に移動する時
  • チェンマイからバンコクのスワンナプーム空港に到着し、さらに日本に帰国したり別の国にいくためにドンムアン空港に移動する時

二つの空港は近くにはありませんので、当然ながら移動時間が必要になります。
無料シャトルバスはありますが、渋滞に巻き込まれる可能性があります。
タクシーやGrabなどの配車サービスを使うのが最適解でしょう。

エアポートレイルリンク、MRT(地下鉄)、SETレッドラインを乗り継ぐ方法もあります。
安価(合計の運賃は400円ほど)ですが、乗り換えの時間も含めれば2時間以上かかる場合もあり、さらに列車は24時間営業ではありません。

複数回の乗り換えと、駅から空港ターミナルまでの移動が必要になりますので、荷物が多い場合や時間に余裕がない場合はご注意を!

空港から市内へのアクセス

チェンマイ国際空港 (CNX) から市内へ

チェンマイ空港は市内からとても近いので移動は簡単です。
所要時間は早ければ15分。20~30分見積もっておけばよいでしょう。

空港タクシー(エアポートタクシー)
到着ロビーのカウンターで行き先を告げると、料金が決められたチケットを渡してくれます。
旧市街までなら150〜160バーツほどで、安心して乗車できます。

RTCシティバス
とにかく安く移動したいならこれ。
料金は一律50バーツほどです。
空港1番出口の先に乗り場があり、2つの路線で市内を循環しています。

ソンテウ
料金は乗合なら一律30バーツ〜ですが貸切となると150バーツ〜。
行き先を伝えることができることと、料金交渉が必要です。

Grab(配車アプリ)
以前は空港に乗り入れが禁止されていましたが、今は大丈夫!
時間帯によって料金は変化しますが、
空港タクシーと同じく150〜160バーツ程度と思われます。
アプリがインストール済みでクレカも登録してあるなら、料金交渉も行き先の説明もする必要なくとても便利。
Grabアプリのインストール準備の仕方はこちらから
Grabなど配車プリの比較と乗車の仕方はこちらから

バンコクの二つの空港から市内へ

スワンナプーム空港 (BKK) から市内へ
渋滞知らずで早く、安いエアポート・レール・リンク (ARL)が断然おすすめです。
空港の地下1階から乗車でき、終点のパヤタイ駅まで約26分、45バーツです。

ドンムアン空港 (DMK) から市内へ
2021年に開業したSRTレッドライン(鉄道)が便利です。
ドンムアン空港とクルンテープ・アピワット中央駅(バンスー)を約20分で結び、渋滞の心配がありません。
また、エアポートバス (A1-A4系統)も安価で、BTS(高架鉄道)の駅やカオサン通りなど主要な場所へ接続していて便利です。

寝台列車での移動 – 旅情を味わうあなたへ

man standing beside railway
ハナ@のんびりノマドトラベラー

急ぐ旅でもないし…と良く列車を使います。
以前、せっかくだからと、バンコクからチェンマイへとは直接向かわず、まずはバスで「ウタイターニー」へ。
数日のんびりと過ごしてから、さてチェンマイへと向かおうと「ナコーンサワーン」の駅へと向かいました。
列車は遅れに遅れ、遅延時間はどんどんと伸び、結果7時間駅で待ちました笑

バンコク(クルンテープ・アピワット中央駅)は始発駅で、チェンマイは終点です!
遅延は「あるもの」と考えて列車にのるべし。

バンコクとチェンマイを結ぶ寝台列車は、ただの移動手段ではありません。
それ自体が旅の目的になるほど、魅力的な体験です。
夜に出発して朝に着くので、ホテル代が1泊分浮くのも嬉しいポイント。
(移動で一泊するのはバジェットトラベルの基本ですね!笑)

ガタンゴトンという音を聞きながら、タイの田園風景が移り変わるのを眺める時間は、忘れられない思い出になるはずです。

とはいえ、バンコク⇄チェンマイは12時間から15時間にもなる長旅です。
それなりの覚悟はしておきましょう。

バンコクの新しい玄関口「クルンテープ・アピワット中央駅」

注意点として、2023年1月から、チェンマイ行きの長距離列車は、新しいクルンテープ・アピワット中央駅 (Krung Thep Aphiwat Central Terminal / สถานีกลางกรุงเทพอภิวัฒน์)(旧バンスー中央駅)から出発するようになりました。
かつてのフアランポーン駅ではないので、間違えないようにしましょう。

クルンテープ・アピワット中央駅は東南アジア最大級の近代的な駅で、MRT(地下鉄)ブルーラインのバンスー駅と直結しています。

列車の種類と選び方

バンコクとチェンマイを結ぶ列車は、旅の目的や時間帯によって大きく3つのタイプに分けることがでっきます。
どの列車が自分の旅に合っているか?!見ていきましょう。

1. 夜行寝台列車(一番人気!)

夜の間に移動し、ベッドで眠りながら旅情を味わえる、最も人気のある選択肢です。
朝には目的地に到着するので、時間を有効に使えます。往路・復路ともに、最新の「新型車両」と、趣のある「旧型車両」の列車が運行しています。

  • 【往路】バンコク → チェンマイ(下り)
    • 特急9号 (新型): 18:40発 → 翌07:15着 (新型車両!人気!)
    • 特急13号 (旧型): 20:05発 → 翌08:40着
  • 【復路】チェンマイ → バンコク(上り)
    • 特急10号 (新型): 18:00発 → 翌06:50着 (新型車両!人気!)
    • 特急14号 (旧型): 17:00発 → 翌06:10着

2. 昼行特急列車

日中の時間帯に走り、移り変わるタイの車窓風景を存分に楽しみたい方におすすめです。座席のみの列車で、往復ともに1本ずつ運行しています。

  • 【往路】バンコク → チェンマイ(下り): 特急7号 (09:05発 → 19:30着)
  • 【復路】チェンマイ → バンコク(上り): 特急8号 (08:50発 → 18:55着)

「寝台列車」と「夜行列車」の違い

この二つの言葉は混同しがちですが、意味が少し違います。

  • 寝台列車:1等や2等のベッド(寝台)がある車両を連結した列車のことです。特急9号などがこれにあたります。
  • 夜行列車:夜間に走行する列車の総称です。ベッドのある「寝台列車」と、座席のみの「夜行列車」の両方が含まれます。

快適な旅を求めるなら、予約時に「Sleeper(寝台)」がある列車かどうかを確認することが大切です。

快適な旅の鍵「新型車両」を狙う

もしあなたが少しでも快適な旅を望むなら、選択肢は一つ。新型車両「CNR」が使われている特急9号(バンコク発)と10号(チェンマイ発)の予約を目指しましょう。

特徴新型車両 (9号/10号列車)旧型車両 (その他の列車)
快適性清潔で近代的。
揺れが少なく静か。
旅情はあるが、設備は全体的に古い。
コンセント各ベッドにUSB/電源ポートを完備。1等個室でも共用か、無い場合も。
設備明るく清潔なトイレ・シャワー室。設備は古く、シンプル。

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新型車両はもちろんのこと、寝台列車はとても人気があります。
さらに寝台席となればなおさらのこと。
バンコクからチェンマイへ向かう旅人もとても多いので、旅の日程が決まったら、1秒でも早く予約するのが鉄則です!

座席クラス

1等寝台 (First Class)
施錠できる2人用の個室でプライバシーは完璧です。
家族やカップルに最適です。

2等寝台 (Second Class)
最もポピュラーなクラス。
通路を挟んで上下のベッドが並び、カーテンで仕切れます。
窓があって少し広い下の段が人気です。

チケットの予約方法

人気列車は当日に買うのはほぼ不可能です。
必ず事前に予約しましょう。

タイ国鉄公式サイト(D-Ticket)
手数料なしで一番安く買える方法です。
乗車日の最大90日前から予約できます。


  1. 公式サイト「D-Ticket」でアカウントを作成。
  2. 出発地を「Krung Thep Aphiwat」、目的地を「Chiang Mai」に設定。
  3. 希望の列車(9号がおすすめ)とクラスを選び、クレジットカードで決済。
  4. メールで送られてくるEチケットを保存します。

予約代行サイト
12Go.asiaは日本語に対応していて操作が簡単なので、海外サイトに不安がある方におすすめです。

乗車当日は、出発の1時間前には駅に着いておくと安心です。
Eチケット(スマホ画面か印刷したもの)を係員に見せて乗車します。

12Go.asiaとは?

東南アジアの交通機関を予約するための、非常に大きなオンライン旅行代理店(OTA)です。

シンガポールに本社を置き、タイのバンコクを主な拠点として、バス、鉄道、フェリー、飛行機といった様々な交通手段のチケットを、オンラインで簡単に検索・比較・予約できるサービスを提供しています。
特にタイ旅行において、多くの旅行者が利用している、信頼性の高いメジャーなサイトです。

長距離バスでの移動 – 経済性も快適さもバランスのとれた選択肢

バンコク-チェンマイ間の移動で、費用を最も安く抑えられるのが長距離バスです。
所要時間は約9〜11時間で、渋滞がなければ列車より早く着くことも。
そして列車ほど遅延することが多くもありません。

最近は「VIPバス」と呼ばれる豪華なバスが主流になり、「安くて疲れる」
というイメージはもう古いかもしれません。

列車と同じく、夜行便を利用すれば、快適な座席で眠りながら移動でき、宿泊費も節約できるため、コストパフォーマンスを重視する旅行者にとって非常に魅力的な選択肢です。

発着ターミナル:バンコクとチェンマイのバス拠点

バンコクのバスターミナル
モーチット・バスターミナル(北バスターミナル)

チェンマイをはじめ、タイ北部へ向かう全ての長距離バスが、このタイ最大のバスターミナルから発着します。つまり、チェンマイへ行く時も、チェンマイから戻ってくる時も、バンコクでの乗り降りはこのターミナルです。BTSモーチット駅やMRTチャトゥチャック公園駅からタクシーや路線バスで10分ほどの距離にあります。

チェンマイのバスターミナル
アーケード・バスターミナル

チェンマイのバスターミナルは、道路を挟んで2つの建物(ターミナル2と3)に分かれています。
バンコクからのバスが到着するのは、主に新しくて大きい方のターミナル3です。
バンコク行きのバスも、この新しいターミナル3から出発します。大手バス会社のチケットカウンターも、こちらに集まっています。

VIPバスのすすめ:バス旅の常識が変わる快適さ

バスで快適に移動するなら、ナコンチャイエア (Nakhonchaiair)ソンバットツアー (Sombat Tour) という2大バス会社のVIPバスが特におすすめです。

座席
通路を挟んで1列+2列の3列シートなどが採用され、座席は広く、フットレストも完備。飛行機のビジネスクラスのように深くリクライニングできます。マッサージ機能付きのシートもあります。

車内サービス
ブランケット、水、軽食(お菓子やパン)が配布されます。
各座席にUSB充電ポートが備わっており、車内にはトイレも完備されています。
ブランケットがあるとはいえども、タイのバスは「とても寒い!!!」ことが多いです。
上着は仕舞い込まずに、着込んでから乗り込みましょう。

食事
夜行便の場合、深夜にドライブインで休憩があり、VIPバスの乗客は無料で温かい食事をとることができるサービスもあります。

チケットの購入方法

人気のVIPバスは満席になりやすいため、オンラインでの事前予約をおすすめします。
12Go.asiaのような予約サイトや、各バス会社の公式サイトから予約が可能です。
料金はVIPクラスで1,000バーツ前後が目安です。

見つかりましたか?あなたの旅に最適な移動手段。

結局、どの移動手段が一番良いのでしょうか。
それは、あなたが旅で何を一番大切にしたいかによって決まります。

「時間」が最優先なら → 飛行機
フライトはわずか1時間半。
短い休みでも時間を最大限に活用できます。
LCCを使う際は、手荷物料金を含めた総額で比べましょう。

「移動の体験」を楽しみたいなら → 寝台列車
旅情あふれる最高の思い出を作ってくれます。
特に清潔で快適な新型車両(9号・10号)は格別です。
ただし、人気なので数週間〜数ヶ月前の予約が必須です。

「費用」を一番に考えるなら → 長距離バス
最も経済的で、列車よりはやくつくため、バランスの取れた選択肢です。
しかも、夜行の「VIPバス」を選べば、驚くほど快適なシートで眠りながら移動でき、宿泊費も節約できます。コストパフォーマンス最強と言えるでしょう。

特に夜の間に移動を済ませたいと考えているなら、選択肢は「寝台列車」と「VIPバス」の2つに絞られます。
旅のロマンやプライバシーを求めるなら寝台列車、座席の快適さと効率を優先するならVIPバスがおすすめです。

あなたの旅の計画に、この記事が少しでも役立てば嬉しいです。
チェンマイにいらっしゃい!そしてチェンマイからいってらっしゃい!
どうぞ、素敵な旅を!