「北方のバラ」と称されるチェンマイ。
その魅力の源泉は、かつてこの地で栄えた「ランナー王国」の文化が息づく、荘厳な寺院の数々にあります。
しかし、数多くの寺院の中からどこを訪れればよいのか、優先順位に迷ってしまう方も多いかもしれません。

この記事では、チェンマイを訪れたら必ず足を運びたい「三大寺院」と、さらに深くランナー文化を体感できるおすすめの寺院4選、合計7つの名刹を厳選。
その歴史的背景や見どころ、そして訪問の際に役立つ周辺情報や豆知識をあわせてご紹介します。

この記事を読めば、以下のことがわかります。

  • 必見の「三大寺院」の詳細な見どころと歴史的背景
  • さらに深く知る「4つの名刹」の魅力
  • 各寺院を訪れる際のおすすめのタイミングや、知っておくと役立つ豆知識
  • 各寺院の「近くで立ち寄りたいところ」(カフェ、市場、関連スポットなど)
  • 寺院めぐりの前に知っておきたい「ランナー文化」の基礎知識
  • 参拝時に必要な服装やマナーなどの基本ルール

チェンマイの寺院は、単なる観光地ではありません。
この記事が、あなたの旅の計画と、チェンマイへの理解を深めるための一助となれば幸いです。

チェンマイで訪れたい7つの寺院 エリア

まずは、今回ご紹介する7つの寺院がチェンマイのどのあたりにあるのか、エリアごとに見てみましょう。
旧市街の中と外(郊外)で大きく分かれます。

  • 旧市街エリア(お堀に囲まれた四角いエリア内)
    • ワット・プラ・シン
    • ワット・チェディ・ルアン
    • ワット・チェンマン
  • 郊外エリア(旧市街の外側)
    • ワット・プラタート・ドイ・ステープ(西の山上)
    • ワット・スワンドーク(西・旧市街近く)
    • ワット・ジェット・ヨート(北西)
    • ワット・ウモーン(南西・山麓)

旧市街エリアの寺院は徒歩でもまわれますが、郊外エリアはそれぞれ距離があるため、ソンテウ(乗り合いタクシー)やGrab(配車アプリ)の利用が基本となります。

チェンマイのエリア紹介はこちらから

チェンマイ必見!ランナー文化を象徴する三大寺院

さて、いよいよ、チェンマイを訪れたら外すことのできない、最も重要で象徴的な3つの寺院をご紹介します!

1. ワット・プラタート・ドイ・ステープ (วัดพระธาตุดอยสุเทพ / Wat Phra That Doi Suthep):チェンマイ随一の聖地であり、観光スポット

ワット・プラタート・ドイ・ステープ An arch leading into a temple with a sky in the background
アイ@子連れ家族トラベラー

山の上からチェンマイの街を一望できるのは、本当に気持ちがいい!
黄金の仏塔は、曇りの日でもキラキラ輝いています

「ドイ・ステープに行かずしてチェンマイを語るなかれ」
という言葉があるほど、チェンマイの人々にとって最も重要で神聖な寺院です。
標高約1,080mのステープ山の山頂に位置し、街のどこからでもその存在を感じることができます。

歴史と背景:「白象伝説」

この寺院の建立は1383年、ランナー王朝のクーナー王の時代に遡ります。
その起源には有名な「白象伝説」が残されています。
スコータイから持ち帰った仏陀の聖なる遺骨(仏舎利)が二つに分かれました。
その一方をクーナー王が大切に持っていましたが、どこに納めるべきか決めかねていました。
そこで、仏舎利を聖なる白象の背に乗せ、象が行きたい場所へ行かせることにしました。

白象はステープ山を登り、現在の寺院がある場所で3度鳴き声を上げ、ぐるりと3周まわった後に息絶えたといいます。
王はこれを仏陀の意志と受け取り、この地に仏塔を建てて仏舎利を納めました。
それがこの寺院の始まりです。

黄金の仏塔を3周する参拝方法(ヴィアン・ティアン)

ワット・プラタート・ドイ・ステープや、タイの多くの重要な寺院では、黄金の仏塔(チェディ)の周りを、人々が花や線香を手に持ち、静かに歩いている姿を目にします。

これは「ヴィアン・ティアン (Wian Tian / เวียนเทียน)」と呼ばれる、タイの仏教徒にとって非常に大切な参拝方法です。(※ヴィアン=巡る、ティアン=ろうそく の意)

これは、仏塔に眠る聖なるもの(仏舎利など)に敬意を表すことで「徳を積む」行為であり、タイの人々はこの徳を積むことが、願い事を叶えることにつながると信じています。

人々は日々の感謝を捧げるとともに、自分や家族の健康、仕事の成功など、具体的な願いを込めて静かに歩きます。

観光客であっても、タイの人々の作法に倣って自由に行うことができます。心を静かにして仏塔と向き合う時間は、きっと旅の特別な思い出になりますよ。ぜひ挑戦してみてください。

参拝の具体的な手順

  1. お供え物を用意する
    もちろん、購入せず、持っていなくても3周回ってもOK!
    ですがお供えをしたい場合は、仏塔の周りにある売店で、お供え物のセット(蓮の花のつぼみ1本、線香3本、小さなろうそく1本がセットになっていることが多いです)を購入します。
  2. 火はつけずに持つ
    購入したお供え物を、合掌するように両手で胸の高さに持ちます。
    この時点では、まだ線香やろうそくに火はつけません
  3. 時計回りに3周する
    仏塔(仏舎利)に対して常に右肩が内側になるよう、「時計回り」にゆっくりと歩き始めます。
  4. 3周に込める意味
    なぜ3周するのかというと、これは仏教における「三宝(さんぼう)」、すなわち「仏(仏陀)」「法(仏の教え)」「僧(教えを守る僧侶たち)」の3つに帰依し、敬意を払うことを意味しています。
    1周目: 仏陀への感謝と敬意を込めて。
    2周目: 仏陀の教え(法)への敬意を込めて。
    3周目: 僧(僧団)への敬意を込めて。
    歩いている間は、心を静かにし、日々の感謝や自分の願い事を心の中で唱えます。
  5. 最後にお供えする
    3周歩き終わったら、礼拝堂(ウィハーン)や仏像の前など、お供えを捧げる場所へ移動します。 そこで初めてろうそくに火を灯し、所定の燭台に立てます。次に、ろうそくの火で線香に火をつけ、香炉に立てます。最後に、蓮の花をお供えし、深く合掌して(ワーイ)、お祈りを捧げます。

見どころ

  1. ナーガ(竜神)の階段: 寺院の入り口には、306段続く壮麗な階段があります。
    両脇には、タイ神話に登場する竜神「ナーガ」
    の緻密な装飾が施されています。
  2. 黄金の仏塔(チェディ): 階段を登りきると、まばゆいばかりの黄金の世界が広がります。
    中心には、高さ約24m、すべて金箔で覆われたランナー様式の仏塔がそびえ立ち、仏舎利が納められています。
  3. 展望テラスからの絶景: 仏塔のある広場からは、チェンマイ市街地を一望できます。
    天気が良ければ、チェンマイ国際空港の滑走路まで見渡せます。

訪問TIPS & 周辺情報

  • ケーブルカー
    306段の階段を登る自信がない方のために、横にはケーブルカー(有料)も設置されています。
  • アクセス
    旧市街からは約15km、車で40分ほどの山道です。
    旧市街の北門(チャーンプアック門)近くや、チェンマイ大学の正門前などに、ドイ・ステープ行きのソンテウ乗り場があります。
  • プーピン宮殿 (Bhubing Palace / พระตำหนักภูพิงคราชนิเวศน์)
    https://maps.app.goo.gl/Mny6Yw5HzTVLQWYg6
    ドイ・ステープからさらに山を登ったところにある、タイ王室の冬の離宮。
    美しく手入れされた庭園(特にバラ園が有名)が一般公開されています(王室滞在期間を除く)。
  • モンクストレイル (Monk’s Trail) と ワット・パーラート (Wat Pha Lat)
    https://maps.app.goo.gl/uLwSirVBQayGeoNw8
    ドイステープを拝観した後、帰路に途中で降りて、モンクストレイルをくだってみるのはいかがでしょう。
    モンクストレイルとは、麓(チェンマイ大学裏手)から続くハイキングコース。 途中の森の中に静かに佇む寺院「ワット・パーラート」までの区間(片道約30~45分)が、適度な運動と神秘的な雰囲気を味わえると特に人気です。(※それほど大変なコースではありませんが、歩きやすい靴は必要です)
名称ワット・プラタート・ドイ・ステープ (วัดพระธาตุดอยสุเทพ / Wat Phra That Doi Suthep)
住所9 Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai 50200
行き方旧市街から車(ソンテウやGrab)で約40分。
チェンマイ大学前や旧市街北門(チャーンプアック門)付近から乗り合いソンテウが出ています。
拝観料 (外国人)30バーツ(ケーブルカー利用の場合は別途往復50バーツ)
拝観時間おおむね 6:00~18:00(時刻は変動する場合があります)

*横方向にスクロールできます。

2. ワット・プラ・シン (วัดพระสิงห์ / Wat Phra Singh):旧市街で最も格式高い寺院

リサ@非日常エンジョイトラベラー

旧市街で一番格式が高いと聞いて訪れました。
『ライカム礼拝堂』の壁画は必見!
タイのお寺の壁画は本当に素晴らしいものが多いですが、ここの壁画もその一つで、当時の人々の暮らしが生き生きと描かれていて、とても興味深いですよ。

旧市街の西端、メインストリートであるラーチャダムヌーン通りの突き当たりに位置する「ワット・プラ・シン」は、チェンマイで最も格式の高い寺院の一つです。
1345年、ランナー王朝のパーユー王が、父であるカム・フー王の遺灰を納めるために建立しました。
ランナー様式の建築美の集大成とも言われる、壮麗な寺院です。

歴史と背景:「獅子の仏像」

「プラ・シン」とは「獅子(ライオン)の仏像」という意味です。
その名の由来となった「プラ・プッタ・シヒン仏」という非常に重要な仏像が安置されています。
この仏像は、1500年以上前にスリランカで造られ、スコータイを経てチェンマイにもたらされたと伝えられています。
毎年4月のソンクラーン(タイ旧正月)の際には、この仏像が山車に乗せられて市内を巡行し、人々は仏像に水をかけて新年の無病息災を祈ります。

見どころ

  1. ウィハーン・ライカム (Viharn Lai Kham): この寺院で最も重要とされる美しい礼拝堂です。
    優美な曲線を描くランナー様式の屋根と、正面の精緻な木彫り装飾が見事です。
  2. ライカム礼拝堂の壁画: 内部の壁一面に描かれた壁画は必見です。
    北側の壁には仏教説話が、南側の壁には当時のランナーの人々の暮らしや風俗が描かれており、芸術的にも歴史的にも非常に価値の高いものです。

訪問TIPS & 周辺情報

  • 訪問タイミング
    毎週日曜の夕方から開催される「サンデー・ウォーキング・ストリート(ナイトマーケット)」
    の西の起点(終点)にあたります。
    日曜の午後に参拝し、そのままマーケットを楽しむ、もしくは、マーケットの終着点として、夜の雰囲気を楽しむのも良いかもしれません。
    ライトアップが美しく、昼間とは違う幻想的な姿を見ることができます。
  • アカ・アマ・コーヒー (Akha Ama Coffee / Akha Ama Phrasingh)
    https://maps.app.goo.gl/ib2yDTY8ePeR8EZs7
    ワット・プラ・シンのすぐ近く(ラーチャダムヌーン通り沿い)にある、チェンマイを代表するカフェの一つ。
    タイ北部の山岳民族アカ族が栽培した、高品質なコーヒー豆を使った一杯が楽しめます。
    参拝後の休憩に最適です!
    公式サイト:https://www.akhaamacoffee.com/
名称ワット・プラ・シン (วัดพระสิงห์ / Wat Phra Singh)
住所2 Samlarn Rd, Phra Sing, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai 50200
行き方旧市街の西端、ラーチャダムヌーン通りの突き当たり。
ターペー門から徒歩約20分。
拝観料 (外国人)50バーツ(ウィハーン・ライカムなど主要建物内に入る場合)
拝観時間おおむね 6:00~17:00(主要建物の拝観時間は異なる場合があります)

*横方向にスクロールできます。

3. ワット・チェディ・ルアン (วัดเจดีย์หลวง / Wat Chedi Luang):旧市街中心の巨大仏塔

ハナ@のんびりノマドトラベラー

地震で崩れてしまった姿が、逆に圧倒的な歴史の重みを感じさせます。
ある意味、遺跡らしい遺跡の姿と言えるかもしれません
かつてはバンコクにあるエメラルド仏もここに安置されていた時期があったんですよ。エメラルド仏の足跡をたどる旅もおもしろいです

旧市街のほぼ中心にそびえ立つ、巨大な仏塔(チェディ)。
それが「ワット・チェディ・ルアン」のシンボルです。
「ルアン」とはタイ北部の方言で「大きい」を意味し、その名の通り、かつてはチェンマイで最も巨大な建造物でした。

歴史と背景:ランナー王国の栄華と傷跡
この寺院の建立は14世紀末に始まり、15世紀半ばに完成しました。
当初の仏塔は高さ80mを超え、ランナー王国の栄華を象徴するものでした。
1468年からは、現在バンコクのワット・プラケオ(エメラルド寺院)に祀られているタイで最も神聖な仏像「エメラルド仏」が、約80年間にわたりこの仏塔に安置されていました。

しかし1545年、チェンマイを襲った大地震により、仏塔の上部が崩壊。
現在の姿は、1990年代にこれ以上崩壊が進まないよう修復されたものです。

見どころ

  1. 大仏塔 (Chedi Luang)
    崩れた状態であっても、その威容は圧巻!
    基壇の一辺は約60mにも及びます。
    四方の階段には、精巧なナーガの装飾や、仏塔を支えるように並ぶ象たちの彫刻(一部は修復されたもの)が見られます。
  2. ラック・ムアン(市柱)
    本堂の向かって右側にある小さな建物には、チェンマイの都市の守護柱である「サオ・インタキン(ラック・ムアン)」が祀られています。
    ここはチェンマイで最も神聖な場所の一つとされ、残念ながら女性は立ち入り禁止となっています。

訪問TIPS & 周辺情報

  • ワット・チェディ・ルアンは外国人は入場料が必要です
    正門から少し左に外れた場所にチケット販売ブースがあります。
  • 訪問タイミング(サンデーマーケット)
    ワット・チェディ・ルアンは旧市街のほぼ中心部に位置しています。日曜夕方から開催されるサンデー・ウォーキング・ストリートのメイン通り(ラーチャダムヌーン通り)から南へそれほど離れていないので、マーケット散策の途中に立ち寄ってもいいかもしれません
  • ランチにおすすめ「Coconut Shell」
    https://maps.app.goo.gl/BmmUzWBUjJWr5KARA
    ワット・チェディ・ルアンの門から、近く歩いて5分ほどにあるタイ料理レストラン「Coconut Shell Thai Food」は、手頃な価格で美味しいタイ料理が楽しめると旅行者や地元の人々に人気です。多くのメニューが50バーツ前後!
    カオソーイやグリーンカレーなどの定番メニューが揃っています
  • ワット・パンタオ (Wat Phan Tao / วัดพันเตา)
    https://maps.app.goo.gl/49z6SfQU1NKo2gdM9
    ワット・チェディ・ルアンのすぐ隣にある寺院も見逃せません。
    すべてチーク材で造られた、ランナー様式の古い礼拝堂が非常に美しいことで有名です。
    このワット・パンタオの境内では、毎年11月頃のイーペン祭り(ロイクラトン)の期間中、僧侶たちによるセレモニーが行われます。
    無数のランタンが灯される光景は圧巻で、この時期にチェンマイを訪れるなら必見です。
名称ワット・チェディ・ルアン (วัดเจดีย์หลวง / Wat Chedi Luang)
住所103 Phra Pokklao Rd, Phra Sing, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai 50200
行き方旧市街のほぼ中心部、プラポックラオ通り沿い。
ターペー門から徒歩約10~15分。
拝観料 (外国人)50バーツ(2025年11月現在)
拝観時間おおむね 5:00~22:00(主要建物の拝観時間は異なる場合があります)

*横方向にスクロールできます。

さらに深く知る チェンマイ郊外と旧市街の名刹4選

三大寺院に加えて、チェンマイの歴史や文化をさらに深く知るために訪れたい、個性豊かな4つの寺院をご紹介します。

4. ワット・チェンマン (วัดเชียงมั่น / Wat Chiang Man):チェンマイ最古の寺院

エミ@弾丸アクティブトラベラー

小さいお寺ですが、とても大切な二つの仏像が安置されています!
水晶でできた仏像、ぜひみてみてくださいね

旧市街の北東部に静かに佇む「ワット・チェンマン」は、チェンマイで最も古い歴史を持つ寺院です。
その歴史は、チェンマイという都市の誕生と深く結びついています。

歴史と背景:新都の礎

1296年、ランナー王国を建国したメンライ王は、新しい首都「チェンマイ(新しい都、の意)」の建設に着手しました。

その際、王が友人であるスコータイのラムカムヘーン王、パヤオのガムムアン王と共に新都の建設計画を練り、自らも一時的に居住した場所が、このワット・チェンマンの地であったと伝えられています。

つまり、この寺院はチェンマイの都市が建設されるその瞬間から、歴史を見守ってき「始まりの場所」ともいえるところなのです。

見どころ

  1. チャーン・ローム・チェディ(象に囲まれた仏塔)
    この寺院で最も印象的なのが、本堂の裏手にある仏塔です。
    黄金色の仏塔の基壇部分を、15頭の象の彫刻がぐるりと囲み、まるで仏塔を支えているかのように見えます。
    スリランカ様式の影響を受けた、ランナー初期の貴重な建築です。
  2. 二つの神聖な仏像(新礼拝堂)
    小さな礼拝堂の内部に、非常に重要な二つの仏像が安置されています。
    「水晶仏(プラ・セータン・カマニー)」「石仏(プラ・シラー)」です。
    どちらも雨乞いの力があると信じられ、古くから篤く信仰されています。

訪問TIPS & 周辺情報

  • チャーンプアック門(北門)の屋台街
    https://maps.app.goo.gl/W4R8zf5Kk5hKLC9K8
    寺院から少し歩いた旧市街の北門(チャーンプアック門)周辺は、夕方になると地元の人々や観光客で賑わう活気ある屋台街が出現します。
    特に有名なのは、カウボーイハットをかぶった女性の店主で知られるカオカームー(豚足煮込みご飯)の店と、いつも行列が絶えない人気のタイスキ(スキー)の店です。
名称ワット・チェンマン (วัดเชียงมั่น / Wat Chiang Man)
住所171 Ratchapakhinai Rd, Si Phum, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai 50200
行き方旧市街の北東部、ラーチャパキナイ通り沿い。
ターペー門から徒歩約15分。
拝観料 (外国人)無料(寄付は歓迎されます)
拝観時間おおむね 6:00~17:00(時刻は変動する場合があります)

*横方向にスクロールできます。

5. ワット・スワンドーク (วัดสวนดอก / Wat Suan Dok):白い仏塔群と王家の霊廟

ハナ@のんびりノマドトラベラー

広い敷地に白いお墓(仏塔)がたくさん並んでいる景色は、他のお寺とはまったく違う雰囲気で、とても印象的でした。」
「僧侶の方と英語でお話しできる『モンクチャット』も、タイミングが合えば貴重な体験になりそうですね。

旧市街の西側、ステープ通りをドイ・ステープ方面へ向かう途中にあるのが「ワット・スワンドーク」
です。
「スワンドーク」とは「花園」を意味し、かつてはランナー王家の花園だった場所に建てられました。

歴史と背景:王家の霊廟

1371年、クーナー王がスコータイから高僧を招き、仏教を学ぶ場として建立しました。
この寺院を特徴づけているのは、敷地の一角に集まる真っ白な仏塔群です。
これらは、ランナー王朝の歴代の王族や、チェンマイを統治した王族の遺灰を納めた霊廟(お墓)です。

見どころ

  1. 白い仏塔群(王家の霊廟): 青空と緑の芝生に、白い仏塔が映える光景は圧巻です。
    夕暮れ時に、西日に照らされる姿は特に美しいとされています。
  2. モンクチャット (Monk Chat): 敷地内の仏教大学では、僧侶(多くは若い学生僧)が一般の訪問者と英語で会話し、仏教やタイの文化について教える「モンクチャット」
    というプログラムが開催されていることがあります。
    (※開催日時や予約の要否は、現地でご確認ください)

訪問TIPS & 周辺情報

  • ランナー伝統家屋博物館 (Lanna Traditional House Museum)
    https://maps.app.goo.gl/xZzTd8FcZydhGkcP7
    ワット・スワンドークから車で数分(徒歩約15分)の距離にあるチェンマイ大学の敷地内にあります。高床式の伝統的な家屋が移築・展示されており、ランナー文化における人々の暮らしを知る上で非常に貴重な場所。緑豊かでホッとできる空間。
  • チェンマイ大学美術館 (Chiang Mai University Art &C ulture Center)
    https://maps.app.goo.gl/wgyq5AQkrhg1wC9s7
    ワット・スワンドークのすぐ近く、メインストリート沿いにある美術館です。現代アートの展示会などが開かれていることがあります。
  • チェンマイ大学農学部のミルクショップ (ร้านนมเกษตร มช.)
    https://maps.app.goo.gl/Jg151QkN2eANWo9a8
    ワット・スワンドークから徒歩圏内(約10~15分)のチェンマイ大学農学部では、大学が運営するショップで新鮮な牛乳やヨーグルト、ミルクアイスクリームが楽しめます。地元の学生にも愛される、大学ならではのヘルシーなスイーツで一息つくのもおすすめです。
名称ワット・スワンドーク (วัดสวนดอก / Wat Suan Dok)
住所139 Suthep Rd, Suthep, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai 50200
行き方旧市街の西門(スワンドーク門)からステープ通りを西へ約1km。
ソンテウやGrab(配車アプリ)の利用が便利です。
拝観料 (外国人)20バーツ(2025年11月現在)
(主要な建物への拝観料として)
拝観時間おおむね 6:00~17:00(時刻は変動する場合があります)

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6. ワット・ジェット・ヨート (วัดเจ็ดยอด / Wat Chet Yot):7つの尖塔を持つ寺院

ハナ@のんびりノマドトラベラー

インドのブッダガヤにある寺院を模していると聞いて、とても興味深かったです。
他のランナー様式の寺院とは全く違うデザインで、壁のレリーフ(浮き彫り)が、まるで神々が踊っているようでとても精巧でした。

旧市街から北西へ少し離れた場所にある「ワット・ジェット・ヨート」
他のランナー様式の寺院とは一線を画す、非常にユニークな建築様式を持つ寺院です。
「ジェット・ヨート」とは「7つの尖塔」を意味します。

歴史と背景:仏教会議の開催地
1455年、ランナー王国のティローカラート王によって建立されました。
王は、仏教の聖地であるインドのブッダガヤにある「マハーボディ寺院(大菩提寺)」を模して、この寺院を造らせたといわれています。
1477年、この寺院は仏教の経典を編纂・確認するための第8回世界仏教会議(仏教結集)の開催地となりました。

見どころ

  1. 7つの尖塔を持つ仏塔
    寺院の象徴である、四角い基壇の上に7つの尖塔が立つ独特の仏塔。
    その壁面には、美しい漆喰(しっくい)のレリーフが施されています。
    蓮華座に座り、手を合わせる天人(テーワダー)たちの姿が精巧に彫られており、当時の高い技術を今に伝えています。

訪問TIPS & 周辺情報

  • 訪問タイミング
    主要な観光ルートから少し外れているため、観光客が比較的少なく、静かな雰囲気の中で歴史的な建築をじっくりと鑑賞したい方におすすめです。
  • チェンマイ国立博物館 (Chiang Mai National Museum)
    https://maps.app.goo.gl/uVPw5vtPnvZT8VME7
    ワット・ジェット・ヨートのすぐ近くにあります。
    ランナー王国の歴史や芸術に関する豊富な展示があり、寺院めぐりと合わせて訪れると、チェンマイへの理解が格段に深まります。
名称ワット・ジェット・ヨート (วัดเจ็ดยอด / Wat Chet Yot)
住所90 Moo 2, Chang Phueak, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai 50300
行き方旧市街から北西へ約4km、スーパーハイウェイ沿い。
ソンテウやGrab(配車アプリ)の利用が便利です。
拝観料 (外国人)参拝自由
拝観時間おおむね 6:00~18:00(時刻は変動する場合があります)

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7. ワット・ウモーン (วัดอุโมงค์ / Wat Umong):森に潜むトンネル寺院

リサ@非日常エンジョイトラベラー

森の中にトンネルが掘られていて、その中に仏像が安置されているなんて、とても神秘的でした。ひんやりとした空気が流れていて、とても静かで、心が落ち着く場所ですね。

旧市街から南西、ステープ山の麓の緑豊かな森の中に、異色の寺院「ワット・ウモーン」はあります。
「ウモーン」とはタイ語で「トンネル」を意味します。
その名の通り、瞑想のために掘られたトンネル(地下通路)がこの寺院の最大の特徴です。

歴史と背景:瞑想のための森

この寺院の創建は14世紀、クーナー王の時代とも言われています。
一説には、王が、森での瞑想を好んだ高僧のために、静かに修行に集中できるよう、この地にトンネルを掘らせたのが始まりとされています。
長い間、森の中に忘れ去られていましたが、20世紀に再発見されました。

見どころ

  1. 瞑想用のトンネル: レンガ造りのトンネルは、いくつかの通路が交差しており、内部には仏像がいくつも安置されています。
    外の暑さとは無縁のひんやりとした空気が漂い、独特の静寂と神秘的な雰囲気に包まれています。
  2. 緑豊かな境内: 寺院の敷地は広大な森そのものです。
    木々には仏教の教えやことわざが書かれた札が吊るされており、それらを読みながら散策するのも一興です。

訪問TIPS & 周辺情報

  • バーン・カーン・ワット (Baan Kang Wat)
    https://maps.app.goo.gl/YWvhhy3sL6Ve58kv5
    ワット・ウモーンからほど近い場所にある、おしゃれなコミュニティスペース。
    「寺の隣の家」という意味で、アーティストのギャラリー、雑貨店、カフェなどが集まっています。
    流行に感度の高いローカルの若者から観光客まで昨今とても人気のエリア!!!
    緑豊かな敷地内は散策するだけでも楽しく、寺院訪問とあわせて立ち寄るのに最適なスポットです。
  • 注意点
    森の中にあるため、虫除けスプレーを持参すると安心です。
名称ワット・ウモーン (วัดอุโมงค์ / Wat Umong)
住所135 Moo 10, Suthep, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai 50200
行き方旧市街から南西へ約5km、ステープ山麓。
ソンテウやGrab(配車アプリ)の利用が便利です。
拝観料 (外国人)20バーツ
拝観時間おおむね 5:00~18:00(時刻は変動する場合があります)

*横方向にスクロールできます。

メモ📝 寺院めぐりにあたって知っておこう:ランナー文化とは?

リサ@非日常エンジョイトラベラー

「ランナー」とは、タイ北部の方言で「百万の田」という意味があるんです。その名の通り、豊かな稲作地帯だったんですね。
寺院の建築様式や仏像の表情にも、バンコクやアユタヤとは違う、独自の優雅さと繊細さがあるので、ぜひ注目してみてください。

チェンマイ旅の思い出を深く色濃いものにするために欠かせないのが、「ランナー文化」の知識です。
ランナー(Lanna)とは、13世紀末にメンライ王によって建国され、約500年にわたりタイ北部に栄えた独立王朝「ランナー王国」を指します。

チェンマイはそのランナー王国の首都として発展しました。
地理的にビルマ(現ミャンマー)、中国雲南省、ラオスと近接していたため、これらの地域の文化や、同時期に栄えたスコータイ王朝などの影響を受けつつも、独自の仏教芸術を開花させました。

特に寺院建築に見られる「ランナー様式」には、以下のような特徴があります。

  • 優美な屋根: 急勾配で幾重にも重なり、軒先が優雅に反り上がる屋根。
  • 精緻な木彫り: 礼拝堂の入り口(破風)や柱、窓枠などに施された、植物や動物、神話上の生き物をモチーフにした細かい木彫り装飾。
  • ウィハーン(礼拝堂)の重視: 本堂(ウボソット)よりも、一般の信者が祈りを捧げる礼拝堂(ウィハーン)が大きく、豪華に造られる傾向があります。

これらの特徴を知っておくと、各寺院の建築や装飾をより一層楽しむことができます。

チェンマイ寺院めぐりの基本と注意点

リサ@非日常エンジョイトラベラー

寺院はとても神聖な場所なので、服装には気をつけたいですね。
ルールを守って、敬意を持って参拝することが大切だと思います。

チェンマイの寺院は、今も地元の人々にとって大切な祈りの場です。
訪問者は敬意を払い、以下のルールを守りましょう。

1. 服装のルール(最重要)

タイの寺院は、王室と並んで最も敬意を払うべき場所です。
服装には厳格なルールがあります。

NGな服装

  • ノースリーブ、タンクトップ(肩が出る服)
  • 短パン、ショートパンツ(膝が出る服)
  • ミニスカート
  • 体にぴったりと張り付くレギンスなど

OKな服装

  • 袖のあるシャツ(Tシャツ可)
  • 膝下が隠れる長いズボンやスカート

多くの主要な寺院では、入り口で肌を隠すためのパレオ(布)を有料または無料で貸し出していますが、あらかじめ適切な服装で出かけるか、ご自身でストールや羽織るものを持参することをおすすめします。

2. 寺院内でのマナー

  • 靴を脱ぐ
    礼拝堂や本堂など、建物に入る際は必ず靴を脱ぎます。
  • 仏像への敬意
    仏像に背を向けて写真を撮ったり、仏像より高い位置に立ったりしないようにしましょう。
  • 足の裏を向けない
    座る際は、仏像や僧侶に対して足の裏を向けないようにします(正座か、横座りが基本です)。
  • 僧侶への配慮
    女性は僧侶に触れてはいけません。
    すれ違う際や物を渡す際も、直接触れないよう注意が必要です。
  • 静かにする
    境内では大声での会話を控え、静かに過ごしましょう。
  • 敷居を踏まない
    建物(特に礼拝堂)の入り口の敷居は、神聖なものとされています。
    踏まずにまたいで入りましょう。

3. 拝観料と拝観時間

多くの寺院では、外国人観光客向けの拝観料(入場料)が設定されています(目安:20〜50バーツ程度)。
拝観時間は、おおむね午前6時頃から午後5時〜6時頃までが一般的ですが、寺院によって異なります。

まとめ:ランナー文化の奥深さを体感する旅

ハナ@のんびりノマドトラベラー

チェンマイの寺院は、どれも個性的で、一つ一つの場所に深い歴史と物語があります。
三大寺院はもちろん、少し足を延ばして色々なお寺をみて回ってみてくださいね

チェンマイの寺院めぐりは、単に美しい建物を訪ねるだけに終わらず、この地で花開いたランナー王国の壮大な歴史と、今も人々の暮らしに深く根付く信仰の姿に触れる、時間旅行のような体験です!

まずはチェンマイの象徴である三大寺院を。
そして時間ゆるせば、さらに個性豊かな名刹へ。
それぞれの寺院が持つ独自の物語と魅力を感じながら、あなただけのチェンマイ・タイムを過ごしてくださいね。