海外での長期滞在を考えたとき、無視できない出費が「海外旅行保険」です。
数ヶ月の滞在となると数万円単位の費用がかかることも珍しくありませんが、クレジットカードに付帯している保険を賢く活用することで、そのコストを大幅に抑えることができるのは知られているところ。
しかし、多くのクレジットカードに付帯する保険は、日本を出国してから90日間(約3ヶ月)で期限が切れてしまいます。
「ノマドビサ(DTV)で長く滞在できるようになったのはいいけど、保険はどうしよう」
「チェンマイに滞在した後、また別の国にいくんだけど….」
「3ヶ月を過ぎたら、高額な任意保険に入るしかないの?」
そんな疑問&不安を抱える方に向けて、クレジットカードの「利用付帯」を活用して補償を繋いでいく「リレー術」を解説します。
結論から言えば….
- 1枚目のクレカの自動付帯もしくは利用付帯カードで出国をして90日の補償を得る
- 「出国後の利用」で補償をスタートすることができる2枚目のカードでさらに90日間の補償を追加
これで合計180日の補償を受けるというもの。
そしてそれができる「2枚目のカード」は「エポスカードだけ」なのです。
「クレカに保険がついてるの?!」という方のために基本から、
また「これまで90日目以降はノマド保険に入っていた」という方へもコスト削減効果バッチリです!
JCBカードの2025年4月の規約改定や、2026年現在の最新事情を踏まえた、自身の身を守るための必須知識を確認していきましょう。
この記事を読めば、以下のことがわかります
- クレジットカードの海外旅行の期限とは
- 自動付帯と利用付帯を理解する
- なぜ2枚目は「エポスカード」一択なのか?
- 噂の「無限更新」のホントのところ
- タイで保険対象になる乗り物の見分け方と、自分を守るための証拠の残し方
- JCBカードの方必見!2025年4月の規約変更をチェック
このページの目次
クレジットカード海外旅行保険の基本:自動付帯と利用付帯とは?
海外旅行の心強い味方といえば、クレジットカードに付帯する海外旅行保険です。
新たに有料の保険に加入しなくても、カードを持っているだけで、あるいはルールに沿って少額の決済をするだけで保険が発動するのですから、これを使わない手はありません。
とはいえ、カードによって補償される金額や範囲は千差万別。そもそも保険が付帯していないカードもありますし、まずは「自分のカードに補償があるのか」「どんな内容なのか」をしっかりチェックすることが大切になってきます。
求める補償内容は人ぞれですが、「キモ」として共通して押さえておきたいのは、自動付帯(じどうふたい)なのか、利用付帯(りようふたい)なのかというところ。
- 【重要】自動付帯(じどうふたい)
特別な手続きをしていなくても、カードを持っているだけで日本を出国した瞬間から自動的に保険が有効になるタイプです。 - 【重要】利用付帯(りようふたい)
ツアー代金や航空券や現地の交通費などをそのカードで支払うことで、初めて保険が有効になるタイプです。※何にどのタイミングで使うと保証を有効化させられるかはカードによって異なります。
最近のクレジットカードは、この「利用付帯」に移行しているものがほとんどです。
そして、多くの場合は「日本を出国する前に支払いを済ませること」が条件となっていて、補償となる期間は1旅行90日までというのが主流。
ステータスの高いゴールドカードなどには今でも「自動付帯」が見られますが、たとえランクを上げたとしても、補償期間はやはり「90日」という壁に突き当たることがほとんどです。
check point
- あなたのクレカに海外旅行保険はついている?
- あなたのクレカの海外旅行保険の補償内容はどんなもの?
(持っているデジタル機器の故障や盗難まで保証してくれるのか、事故にあった場合の最大の補償は?などなど) - 補償のためには、「クレカを旅行に持っていけばOK=自動付帯」?
それとも「出国前に決まったルールでの利用が必要=利用付帯」?
2枚目のカードに切り替えて補償を延長する!
さて、ここからが本題です。
ランクが上のカードによくある「自動付帯」は出国と同時にクレカを使わなくても補償が始まってしまいそれは90日間が上限なので、「延長」に使うことはできません。
ならば、利用付帯カード!となるわけですが、「利用」することで保険の補償がスタートする利用付帯のカードは数あれど、2026年現在、「日本出国前の決済」を保険適用の条件としているクレジットカードばかりなんです。
ですが、これがもし、出国後、現地に到着した後のクレカ利用で保険発動!となるカードがあったら?
話は別ですよね?!
そのカードがエポスカード!しかもエポスカード一択なのです。(もし他にあったら教えてください!)
エポスカードだけが生き残った…
【現在リレー不可!】リクルートカード(MUFG/Nicos)
以前は現地決済での補償スタートが可能でしたが、規約改定により「出国後の決済は対象外」または「補償期間は日本出国から90日間まで」と厳格化されました。
「利用付帯:日本ご出国前に、対象カードで航空券やツアー料金などをお支払いいただくことで保険が適用されます。」
https://www.cr.mufg.jp/mufgcard/service/other/insurance/injury_ab/index.html
【現在リレー不可!】アメックス(グリーン等)
出国後の現地決済での補償スタートが可能ですが、規約上「日本出国から90日間」が補償限度とされており、現地で遅れて決済しても「出国から90日」という期限の壁を動かすことはできません。
「出国後にカード決済された場合は、出国時からご住居にお戻りになるまでの最長90日間の旅行期間内を限度に、その購入のときから補償されます。」
https://www.americanexpress.com/ja-jp/benefits/insurance/nac-insurance/travel-accident/
【現在リレー不可!】JCBカード
以前はエポスカードと同じく、出国後の利用から90日間の補償だったものが、2025年4月の改定により補償期間は「日本出国から90日間」が限度となりました。現地で決済をしても、出国から90日という期限を延ばすことはできません。
「海外旅行を目的に日本国内のご住居を出発されたときからご住居にお戻りになるまでの間で、かつ、日本を出国する前日の午前0時から日本に入国した翌日の午後12時(24時)までの間を「旅行期間」とし、日本を出国した日から90日後の午後12時(24時)までを限度とします。」
https://www.jcb.co.jp/release/incidental-insurance_2210.html
【リレー可能!】生き残ったのはエポスカードのみ!
エポスカードなら「クレカのリレー」で補償を180日まで延長させることができます!
「エポスカードで支払った時から90日間(かつ旅行期間中)が補償対象期間となります。」
注意!
あなたの「まさか」の事態に備える大切な情報です。
具体的な補償内容や利用条件については、必ず公式サイトで最新情報を確認してくださいね。

「無限ループ」は可能か?公式ルールとリスクの真相
長期滞在者の間で時折、「90日経つごとにまた決済をすれば、帰国しなくても無限に保険を更新できる(再トリガー)」という噂を耳にすることがあります。
しかし、これについては明確なリスクが存在します。
エポスカードの公式見解(FAQ)では、「1旅行につき最長90日間の補償」とはっきりと記載されています。
エポスカード公式サイトの海外旅行保険に関するページ(よくあるご質問)
https://www.eposcard.co.jp/benefit/oversea/insurance.html
「1旅行」とは、日本国内の住居を出発してから帰着するまでを指します。
つまり、同一の旅行中に2回、3回と決済を繰り返して保険を繋げることは、公式には認められていないルール違反です。
数千円の少額な請求なら通ってしまうケースもあるかもしれませんが、万が一、数千万円単位の医療費や移送費が発生した際、保険会社から厳密な渡航履歴を精査されれば、支払いを拒否される致命的なリスクがあります。
180日(3ヶ月+3ヶ月)を超える滞在の場合の誠実な防衛策としては、ノマド保険や留学保険などの加入を検討、もしくは、可能であれば日本へ一度帰国をしてクレカの保険をリセットすることになります。
3枚目の別カードが用意できるといいのですが、エポスカードは2枚持ちが不可。残念!
タイ国内で「公共交通乗用具」として認められる条件
ここからは実際に、タイ国内で「90日目」を迎える場合のエポスカードの利用の仕方についてです。
エポスカードの補償を有効にするためにはカード会社が定める「公共交通乗用具」
の代金を支払う必要があります。
タイ・チェンマイでの滞在において、何が対象になるのかを正しく理解しておきましょう。

保険適用の対象となる「公共交通機関」
「正規のタクシー(GrabTaxi含む)」
車体の上に「TAXI-METER」の表示がある正規車両です。
Grab(グラブ)を利用する場合でも、車種選択で「GrabTaxi」を選んだ場合は、正規タクシーを呼んでいるため対象となる可能性が極めて高いです。
「タイ国鉄 (SRT)」
公式サイト「D-Ticket」でのオンライン予約は、決済記録が明確に残る最も確実な方法の一つです。
チェンマイから隣のランプーン駅までの短い区間でも対象となります。
「中長距離バス」
カード決済に対応した大手バス会社(ナコンチャイエアー等)のチケット。
対象外となるリスクが高いもの【要注意!】
「GrabCar / JustGrab」「バイクタクシー」
一般の自家用車(白ナンバー)が迎えに来るタイプは、日本の「白タク」と同じ扱いになってしまい、「公共交通乗用具」として認められない可能性が極めて高いです。
公共交通機関としての証明が難しく、保険適用外となるリスクが極めて高いため推奨されません。
「ソンテウ / トゥクトゥク」
通常カード決済の決済自体ができませんし、公共交通機関としての客観的な証明も困難です。

タイのナンバープレートの色を確認。
黄色いプレートは営業用(タクシーやバス)、白いプレートは自家用車。
保険リレーを成功させる実践手順と証拠保存
2〜3日前の余裕を持って決済を
保険の切り替えは、90日の期限ギリギリを狙うのではなく、必ず2〜3日前の余裕を持って済ませた方が安心です。
海外滞在期間がきっかり180日を予定している場合は非常に悩ましいですが、現地のネット環境の不調やアプリのエラー、カードの一時的なロックなどで当日決済ができない=無保険期間が生まれるリスクを避けるためです。

海外に長く滞在していると、滞在が「日常化」し、90日目をうっかり忘れてしまうことも十分考えられます。居心地の良いチェンマイにリラックスして滞在しているならなおさら!
いつが90日目なのか、ビザの期限と同じようにしっかりとカレンダーなどにメモしておきましょう。
自分を守る「証拠の3点セット」を保存する
保険請求時には、利用付帯の条件を満たしたことの証明を求められます。
以下の3点を必ずセットで保存しておきましょう。
1. 「決済完了画面のスクリーンショット」
アプリやサイトで決済した直後の画面。
2. 「登録メールに届く領収書(Eレシート)」
GrabやSRTから届く公式な控え。
3. 「車両のナンバープレート撮影」
GrabTaxiを利用した際、それが黄色ナンバー(営業車)であることを示す写真

以前はアプリの明細のスクショだけを保存していましたが、タクシーのダッシュボードのライセンスも写真に取るようにしています。
ただし、無言での撮影はとても不躾な感じがしてある意味「攻撃的」な行動にも取られかねないので、”May I take a photo of your Driver ID? I need to show I used this taxi for my insurance record.”などと笑顔で声をかけながらにしています。
乗ってすぐ確認をして、降りる前に忘れないように撮影ができれば一番スマートですね。ダッシュボードでなくても車のドアの内側に車両番号が書いてある黄色いプレートがあればそれでも可。
長期滞在の途中にアクシデントが起きた場合、保険会社への請求は、数ヶ月後になることもあります。
その時に「確かに正規のタクシーに乗った」と言い切れる証拠があるのは、本当に心強いですよ。
まとめ:重要事項の再整理
長期滞在を安全に楽しむために、今回解説した重要ポイントを最後におさらいしましょう。
- エポスカード を2枚目の切り札とし、日本出国から90日が経過する2〜3日前にタイ国内で決済を済ませる。
- JCBカード は2025年4月の改定で「出国から3ヶ月以降の保険延長(リレー)」ができなくなったことに注意!
- 1枚のカードで無限ループは不可。
公式ルール「1旅行90日まで」を厳守し、それ以上の滞在は別カードや現地保険を検討する。 - GrabTaxi や タイ国鉄 など、営業許可のある「黄色ナンバー」の車両で決済。
スクリーンショットや領収書、車両ナンバーなどを保存 - DTV等の長期ビザ ほど要注意。
保険の起点(日本出国日)は常に意識し、カレンダーで期限を管理!
保険の規約は常に変化します。
この記事の情報を指針としつつ、必ず各カード会社の公式サイトで最新の一次情報を確認することを忘れないでください。
まさかの備えもわすれずに、安全で楽しく、素晴らしい滞在を楽しんでくださいね!











