海外旅行の心強い味方といえば、クレジットカードに付帯している海外旅行保険。
「とりあえず保険はついてるから大丈夫」
という安心感を持って出かける人は多いと思います。
でも、実際に怪我をしたとき、体調を崩したとき、具体的にどう動けばいいかを知っている人は、意外と少ないもの。
さらにはカードに保険がついていることすら意識していない、という人も珍しくありません。
もちろん、病院のお世話になるなんてことないに越したことはないのですが、「まさか」の時にどんなふうに立ち回るべきか、立ち回ることになるのかは、知っておいて損はありませんよね!
この記事を読めば、以下の全てがわかります
この記事でこれがわかる!
- クレカの海外旅行保険の「仕組みと限界」
- キャッシュレス診療が使えない場合に何が起こるか
- タイの病院で実際に支払いを求められるタイミング
- 「病院に行く前に、まずやること」の正しい手順
「備えあれば憂いなし!」出発前にざっと一読しておくだけでも、この知識はきっと「まさかのとき」あなたのの力になってくれるはずです。
このページの目次
要点まとめ:クレカの海外旅行保険の利用「これだけは!」
本文に移るその前に「要点」をまとめておきます。
チェンマイで「まさか」が起きてクレカ保険を使って治療をする場合の最低限です。
チェンマイで「まさか」が起きたら、まずこれだけ
- 病院に行く前に時間の余裕があるなら、
まず使いたいクレカ保険のサポートデスクへ連絡
(連絡先はクレカの裏面に書いてあることが多い) - 緊急で病院に直行した場合も、落ち着いたらサポートデスクへ連絡
(次回以降の対応や、立て替え分の請求方法を教えてもらえます) - 病院へはパスポートと、クレカ本体を持参
(裏面のサポートデスク番号が必要になります) - どの病院に行くか迷っているなら、日本語通訳がいるラム病院がお勧め
観光エリア(ニマンヘミン・旧市街)からも近く便利で、通訳さんも常駐。
ただし私立なので治療費はお高め。 - 費用を抑えたい場合は公立病院という選択肢も
しかし、混雑・待ち時間が長く日本語は通じません。
「クレカ保険があるから安心」の盲点

海外旅行保険というと、「カードの保険が使えるから大丈夫」という感覚で持っている人が多いと思います。サポートデスクの番号を調べることもなく、どう海外から連絡を取るかも想定せず、とりあえずカードをバッグに入れて出発する…。
でも実際には、いざという場面になって初めて
「どうしたら保険使えるの?」「これ手持ちで払えない!」
「タイの病院ってこういう仕組みだったの」
と気づくことが少なくありません。
まずは出発前に必ず基本のチェック!
「自動付帯」と「利用付帯」——持っているだけで使えるか?!
まずはお約束のチェック項目!
クレカ付帯の海外旅行保険にある、2つのタイプです。
自動付帯(じどうふたい)
カードを所持しているだけで保険が適用されます。旅費をそのカードで支払ったかどうかは関係ありません。
利用付帯(りようふたい)
出国前に航空券・ホテル・ツアー代などをそのカードで支払った場合に限り、保険が適用されます。支払っていなければ保険は使えません。
エポスカードをはじめ、多くの年会費無料カードは「利用付帯」です。
2023年以降、自動付帯から利用付帯へ改定したカードも増えています。
また、規約が変更になっている可能性もあるため「以前は自動付帯だったのに…」なんてことにならないよう、出発前に必ず確認が必要です。
クレカの海外旅行保険、二つの使い方
クレカ付帯の海外旅行保険には、大きく2つの使われ方があります。
その1 「立て替え(後日請求)式」
現地でいったん自分で支払い、帰国後にカード会社の保険窓口へ書類を送って保険金を受け取るやり方です。
その2 「キャッシュレス診療」
保険会社と提携している病院を受診した場合に限り、治療費をカード会社が病院へ直接支払ってくれるやり方です。
財布から1バーツも出す必要がありません。
この2つは、同じ「クレカ保険」でも、現地での体験がまったく変わってくるものになります。
キャッシュレス診療の「正体」を知っておく

注意点として、キャッシュレス診療は、「クレジットカードの機能そのものではない」と言うことです。
「そのカードに付帯している保険会社(または提携している医療アシスタンス会社)と、現地の病院が直接契約を結んでいるから」使えるサービスであり、事前に申請することが必要です。
つまり、カードの種類ではなく、「どの保険会社の保険が使われているか」と「今いる病院がその保険会社と提携しているか」という2つの条件が揃って、初めてキャッシュレス診療が成立するというわけ。
チェンマイ・ラム病院(Chiang Mai Ram Hospital, โรงพยาบาลเชียงใหม่ราม)や、チェンマイにもあるバンコク病院(Bangkok Hospital)などの国際病院は、複数の保険会社と提携しているため、比較的キャッシュレス診療が受けやすい環境にあります。
ローカルの小さなクリニックや、たまたま運ばれた公立病院では、キャッシュレス診療ができる可能性が低く、「立て替え(後日請求)式」となることがほとんど。つまり自分でクレカやデヴィッドカード、現金で一旦支払うことが必要になります。
クレカ海外保険のサポートデスクへの連絡は自分で!なるはやで!

上記の例のように、病院側にカード会社へ連絡を取ってもらい、キャッシュレス診療の手配をしてもらうことができるというベテラン旅行者の話を聞くことがあります。
ただ、個人情報保護に関する規制が強化された現在、そのような対応は難しくなっています。
クレカ海外保険のサポートデスクへは、自分で連絡することが原則です。
キャッシュレス受診の正しい手順のまとめ
結論は、シンプルです。
病院に向かう「前」に、自分でカード会社のサポートデスクに電話する。
これだけです。
この電話を1本かけることで、サポートデスクが「保険が適用されるかどうか」を含め、「近くのキャッシュレス対応の提携病院」を案内してくれたり、「この病院でキャッシュレス診療を使う手配」を事前に整えてくれたりします。そしてその手配は驚くほど早かったりもします。
逆に言うと、この電話をせずに病院に行ってしまうと、たとえ提携病院であっても「事前連絡がないのでキャッシュレスには対応できません」となってしまう恐れが非常に高いです。
サポートデスクへの連絡でしてもらえること
- 近くのキャッシュレス対応病院の案内・予約手配
- 現地語が話せない場合の通訳手配のサポート
- 治療後の保険請求に必要な書類の案内

サポートデスクの電話番号は、各カードの裏面や公式サイトに記載されています。
いざという時慌てないためにも、出発前にスクリーンショットを撮るか、連絡先をスマホのメモに保存しておくことをおすすめします!!!
サポートデスクに「事前連絡」できない緊急時は?
「でも、体調不良ならまだしも、事故にあって病院に搬送とか、事前に電話なんてできないケースもあるでしょ」
そのとおりです。
とにかく急いで病院に行かなければならない状況では、事前連絡は現実的ではありません。
先ほどの「実例1」の場合でも、「狂犬病の恐れがある場合、すぐに病院に行くことが推奨されており、サポートデスクに連絡して、明日、それか明後日に〜」というものではありません。
こういった場合は、一旦立て替えになることを覚悟した上で治療を優先!
その上でできるだけ早くサポートデスクに連絡して「今後の対応」を相談しましょう。
次の通院からキャッシュレスに切り替えてもらえる可能性がありますし、立て替えた分は帰国後に書類を提出して保険金として受け取れます。
ポイントは「緊急時は立て替えを恐れず治療を先にする」こと、そして「落ち着いたら必ずサポートデスクに連絡する」ことの2点です。
タイの私立病院の「支払いのリアル」

タイの私立病院は、日本の病院とは支払いの仕組みが大きく違います。
日本では「治療が終わってから会計」というのが一般的ですが、タイの私立病院では「治療が始まる前にデポジット(保証金)を求められる」ことも多いのです。
注射1本や短時間の外来診察であれば、診察後にレジで支払うことがほとんどですが、入院や手術が必要な場合、つまり費用がかさむ場合ほど、その手続きの段階で「まず保証金として○○バーツをお支払いください」と求められます。
手術の概算見積もりが50万円相当であれば、その全額または一部を、手術前に支払う能力があるかを確認されます。
外務省のタイに関する情報でも、「私立病院は全て自由診療で、診察料・治療費・入院費・手術費用等が高額になることが多く、保証金が必要となることもあるので、海外旅行傷害保険に加入し、事前に費用を確認し、または保険が適用されるか確認することをお勧めします。」と明記されています。(外務省のページより引用)
「払えない」という状況では、人命に関わる超緊急事態を除き、治療が後回しになるケースがあ流ということも頭に入れておきましょう。
例えば「50万円=10万バーツの費用」が必要になったとき
〜「立て替えとキャッシュレス治療の比較」
実際、どうやってその50万円を用意するのか、あくまでも例と予測ではありますが、具体的に考えてみます。
現金をATMで下ろす場合
タイのATMは、1回の引き出し上限が一般的に20,000〜30,000バーツ程度(約8〜12万円)に設定されています。50万円相当を用意しようとすると、複数回の引き出しが必要です。
しかも、デヴィッドカードの場合、タイのATMを利用するたびに220バーツ(約1,000円)前後の手数料がかかります。地味に効いてきますね….。
さらに、日本のクレジットカードにはキャッシング枠の上限設定があります。
セキュリティのためこれを低めに設定されている方も多いことでしょう。上限が50万以下の場合は、少なくともその設定変更手続きを行わなければ1枚のクレカでは必要な現金を用意できないという可能性もあります。
クレジットカードで支払う場合
クレジットカードのショッピング枠で支払う場合、一般的なクレカでは海外事務手数料(一般的に1.6〜3.85%程度)が上乗せされます(タイでの決済手数料を賢く抑える方法については [場面別の決済の正解まとめ] もご覧ください)。
50万円なら8,000〜19,000円程度の追加コストです。
この手数料については、治療費の一環として請求できないケースがほとんど。
また、カードの利用可能額がちょうど50万円以上残っているかどうかも問題になってきます。
キャッシュレス診療の場合
カード会社が病院に直接支払いをしてくれるため、財布から出すお金はゼロです。
手数料もありません。
事前に連絡して手配が済んでいれば、手術前のデポジットもカード会社が対応してくれます。
この3つの支払いの差は、病院で痛みや不安の中で治療を受けたり手続きをするという状況を想像するとき、より大きなものとして感じられます….。

キャッシュレス診療ができた方が絶対楽!!!
なので、旅行前に確認できることはしておき、まさかの事態にもできるだけ速やかにキャッシュレス診療に移れるようにしていきましょう、
海外旅行保険が使えない・キャッシュレス診療が使えないケースまとめ
いざというときのために、対象外になりやすいケースをまとめて整理しておきます。
キャッシュレス診療が使えないケース
- 病院が保険会社との提携対象外(公立病院、小規模クリニックなど)
- 事前連絡なしで病院に行ってしまった場合
- 地域によっては、対応可能な提携病院がない、または極度に少ない
(国によっては、保険会社のスタッフの付き添いがないとキャッシュレス診療ができないと決められていることもあります)
保険自体が適用されないケース
- 持病・既往症の悪化(旅行前から治療中だった病気)
- 虫歯・歯科治療(多くのカードで対象外)
- 妊娠・出産・流産に関わる費用
- 自殺、犯罪行為、飲酒運転、無免許運転による事故
補償期間に関する注意
クレカ付帯の海外旅行保険は、自動付帯であれ利用付帯であれ、出国日から90日間が補償の上限となるカードがほとんどです。
唯一の例外がエポスカードで、現地での利用を条件に90日目以降も保険を延長できる仕組みがあります。3ヶ月以上の滞在を予定している方は → [クレカ保険を180日に延長する方法|エポスカードだけの節約術] をあわせてご覧ください。
タイ・チェンマイへの長期滞在や、複数国をまたぐ旅では、保険が切れていることに気づかないまま旅を続ける….そんな最も危険なパターンを避ける必要があります。
旅の前にやっておくこと:5つのチェックリスト

まとめとして、出発前にやっておくことを整理します。
- 持っているカードの保険が「自動付帯」か「利用付帯」かを確認する
自動付帯はカードを持っているだけで保険が適用されます。
利用付帯は、航空券やホテルなどをそのカードで支払った場合のみ有効です。
どちらか確認できていない場合は、カード裏面のサポートデスクに電話して聞くのが一番早いです。 - 疾病治療費用・傷害治療費用の補償額を確認、メモしておく
「傷害死亡○千万円」という数字よりも、「疾病治療費用:○万円」という数字が実際の役に立つ数字です。 - サポートデスクの電話番号をスマホにメモする
カードの裏面または公式サイトに記載されています。
日本のデスク、タイのデスク両方わかればベスト!
海外用フリーダイヤルか、現地から発信できる番号かも確認しておきましょう。 - 自分のカードの海外旅行保険がキャッシュレス診療に対応しているかチェックする
保険会社によっては、提携病院一覧をウェブで公開しています。
まさかのときにサポートデスクへ連絡すれば、宿から近い便利な病院をリストアップしてくれますが、チェンマイでどこの病院が提携しているか把握をしていると安心感がアップしますね! - 補償期間を確認する(長期滞在の場合)
これはほとんどが90日です。
90日を超える滞在を予定している場合は、保険期間の延長ができるカード (必見!クレカ保険を180日に延長する方法|エポスカードだけの節約術) や、別途の海外旅行保険を検討する
【帰国後:立て替えた場合の保険金請求について】
現地で治療費を立て替えた場合、帰国後にカード会社の保険窓口へ「現地の病院が発行した領収書」
「診断書(英文)」などを提出することで保険金を受け取れます。
必要書類はカード会社によって異なるため、サポートデスクへ事前に確認しておくか、現地で書類を受け取る際に「保険請求に使います」と伝えておくとスムーズです。

上のチェックリスト、出発前に全部確認できているニンゲンは少ない。
以下のテキストをコピーしてスマホのメモアプリに貼り付けて、自分だけの「緊急メモ」を完成させて。いざというときすごく役立つ自分だけのメモ。
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チェンマイ旅行 緊急メモ
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■ 持参カード名:
(例)楽天プレミアムカード
■ 付帯保険の種類:
□ 自動付帯 □ 利用付帯
■ サポートデスク(海外から):
(カード裏面または公式サイトで確認)
■ 疾病治療費の補償上限:
(例)300万円まで
■ チェンマイの提携病院:
(例)チェンマイ・ラム病院
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病院に行く前、行った後でもできるだけ早めに、まずサポートデスクへ電話する!
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まとめ:保険は「あるかどうか」はもちろん、「どう使うか」も肝心!
クレカに保険がついていても、使い方を知らなければ意味がありません。
どのカードを持つかも大切ですが、それと同じくらい「いざというとき、何を最初にすべきかを知っているか」も重要です。
病院に行く前にサポートデスクへ電話する。
それだけで、タイ チェンマイ…つまり旅行先での病院体験は大きく変わります。
次の旅の前に、ぜひ一度、自分のカードの保険内容を確認してみてください。
「読んでおいてよかった」
と思う日が来ないことが一番ですが、来てしまったときのために、この記事がお役に立てれば幸いです。











