壮麗な寺院、緑豊かな山々、そして穏やかな時間が流れる古都チェンマイ。
この街の魅力は景色や文化だけじゃない……
そう、その真髄は、実は奥深く、とっても豊かな「食」の世界にあるんです。

……なんてもったいぶらなくても、「食」は旅に欠かすことのできない楽しみですよね!
美味しいものたくさーーーーーーん食べたい!

でも、北タイ料理といわれて、はてさて、みなさんピンとくるでしょうか?

「北タイ料理って、どんなものがあるの?」
「バンコクの料理とは違うの?」

今回は、みなさんがもっともっとチェンマイを楽しむために、そしてもっともっと食いしん坊になってもらうために、以下がわかる記事をお届けします。

この記事を読めば、以下の全てがわかります

これがわかる!

・これだけは外せない!カオソーイをはじめとする、チェンマイの代表的な料理たち
・バンコクの料理とはここが違う!北タイ・ランナー料理の面白い特徴
・地元の人に愛される、ちょっぴりディープな郷土料理の魅力

おすすめの料理をいろいろとご紹介しながら、その背景にあるチェンマイの食文化や歴史もお伝えしますね。
チェンマイリピーターさんにはこちら、43の北タイ料理料理をピックアップした「チャレンジリスト」がおすすめです。

今回は、「チェンマイの食の伝統」とつながっていきましょう。

まずはコレ!チェンマイで味わうべき代表的な料理

数ある名物料理の中から、これだけはぜひ味わっておきたい、チェンマイの代表料理です。
現地タイ人お墨付きの「代表5選!」

1. カオソーイ (Khao Soi / ข้าวซอย) — 多文化が溶け込んだ、魅惑の一杯

エミ@弾丸アクティブトラベラー

黄金色のカレースープに、茹で麺と揚げ麺の2種類の食感が良いんです♡
お店によってスープがクリーミーだったり、スパイスが効いていたりと、味が違うのも面白い点。
ライムや高菜漬けで自分好みに味を調整していくのも、楽しい体験です!

チェンマイに来たら、外せません!
チェンマイの代名詞ともいえるカレーヌードル、それがカオソーイです。

そのルーツは、19世紀に中国雲南省から移住してきたイスラム系中国人の麺文化と、ミャンマーのココナッツミルクベースの麺料理が出会って生まれた、という説が有力。
まさに、文化の交差点が生んだ、物語のある一杯なんです。

2種類の麺
スープの中にいる柔らかな茹で卵麺と、上に乗ったカリカリの揚げ卵麺。
この食感のコントラストがたまりません。

カレースープ
ココナッツミルクをベースにした、濃厚で香り高いスープ。
ただ辛いだけじゃない、スパイスの奥深い風味が特徴です。
実はチェンマイをはじめとする北タイ地方では料理にココナッツミルクを使うのは例外的なんです。
それなのに代表料理というのが面白いですね。

具材
通常、鶏肉(ガイ / Gai / ไก่)が使われますが、豚肉(ムー / Muu / หมู)や牛肉(ヌア / Nuea / เนื้อ)を使ったカオソーイもあります。

薬味
高菜の漬物、生の紫玉ねぎ、ライム、唐辛子ペースト。
これらを少しずつ加えながら、自分だけの一杯を育てていくのが、カオソーイの醍醐味なんですよ。

カオソーイの美味しさの秘密は、これらの絶妙なバランスにあります。

店によって味付けやからさは異なりますが、ココナッツミルクで辛さが和らいでいますので
「辛いタイ料理は苦手だけど、カオソーイぐらいなら大丈夫!」という方もいます。
辛いのが苦手な方にも、お店に、「辛いですか?」と確認してチャレンジしてもらいたい一品です!
まあ、タイ人の「辛くないよ〜」は当てになりませんけどね(笑)。

2. サイウア (Sai Ua / ไส้อั่ว) — ハーブが香る、北タイのソウルフード

ハナ@のんびりノマドトラベラー

通称「ぐるぐるソーセージ」。って呼んでるのは私だけ?
でもきっと伝わりますよね!
なんとなく敬遠していたのですが、友人とでかけた「メーカンポン村 (Mae Kampong Village / บ้านแม่กำปอง)」で「一口ちょうだい〜」したらどハマり!
レモングラスやハーブの香りが口いっぱいに広がって、豚肉のジューシーな旨味とよく合います。からさはお店によって全然違うので要注意!
ビールにも合う美味しさですよ!

サイウアは、豚の腸に、ハーブとスパイスをこれでもかと効かせた豚ひき肉を詰めた、北タイならではのソーセージです。
市場を歩いていると、この渦巻き状のソーセージが焼かれている良い香りがしてきます。

レモングラス、ガランガル、コブミカンの葉といったハーブの複雑で爽やかな香りと、豚肉の脂の甘みが一体となった味わいは、北タイらしさを象徴する一品。
炭火でじっくりと焼き上げられ、皮はパリッと香ばしく、中はとってもジューシーです。

市場の惣菜店や屋台、レストランの前菜などで、気軽に楽しむことができます。

3. ゲーン・ハンレー (Gaeng Hang Lay / แกงฮังเล) — ミャンマーから来た、濃厚な豚肉カレー

ねこマイ@チェンマイのねこ

このカレーは、ランナー王国がビルマに統治されていた時代の歴史を反映した一皿。
名前もビルマ語がルーツ。…らしい。そう聞いた。
ココナッツミルクを使わず、豚の脂とスパイスでじっくり煮込む!…らしい。そう聞いた。

ゲーン・ハンレーは、タイカレーの一般的なイメージを覆してくれるような、濃厚な豚肉の煮込み料理です。

起源は、かつてランナー地方を統治していたビルマ(=ミャンマー)にあるとされています。
「ゲーンハンレー」の「ハンレー」は、ミャンマー語の「ヒンレー」(Hin-lay) が訛ったものとされていて、ミャンマー語で「ヒン」(ဟင်း / Hin) は、まさに「カレー」や「煮込み料理(おかず)」を指す言葉なんです。

タイでは、多くのカレー(グリーンカレー、レッドカレー、カオソーイ等)が、ココナッツミルクをベースにしているのに対しこのカレーはココナッツミルクを一切使わないことが特徴です。
豚肉の脂とパームシュガーや黒糖の甘み、タマリンドの酸味、生姜の辛味、ナンプラーの塩味、そしてマサラなどのスパイスが一体となった、力強く複雑な味わいが魅力です。

大きな塊のまま、箸でほろりと崩れるほど柔らかく煮込まれた豚肉は、一度食べたら忘れられない美味しさですよ。

4. ケープムー (Khaep Mu / แคบหมู)- おやつにカリカリ、ソースをつけてカリカリ、やめたくないとめたくない?!

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ねこマイ@チェンマイのねこ

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ケープムー / Khaep Mu (แคบหมู) は、ラーンナー料理の食卓に欠かせない名脇役!
豚の皮を丁寧に揚げたクリスピーなスナックです。
単なるおやつやおつまみとしてだけでなく、様々なディップソースをすくって食べる「食べられるスプーン」としての役割も果たしています。

その起源は、豚を余すところなく使い切るという、古くからのラーンナーの人々の食文化の知恵にあると言われています。

現在ではタイ全土に広がりましたが、バンコクなど他の地域ではスナック菓子的に扱われることが主体。
一方チェンマイでは、専門店や市場で揚げたてが手に入り、「脂身付き(ติดมัน / tit man)」など種類も豊富です。
食生活に深く根付いた、日常的な存在です!

丁寧に脂分を取り除いてから乾燥させ、高温の油で一気に揚げることで生まれる、驚くほど軽快でカリッとした食感と、噛むほどに広がる豚の皮の香ばしい風味が魅力です。

北タイの食卓では、青唐辛子ディップのナムプリック・ヌム / Nam Prik Noom (น้ำพริกหนุ่ม) との組み合わせが定番中の定番で、その相性はまさに「名コンビ」。

また、麺料理のカオソーイ / Khao Soi (ข้าวซอย) に食感のアクセントとして添えたりと、その万能さと後を引く美味しさで、一度食べ始めると手が止まらなくなります。
そして、すごく腹持ちがいいので、食べすぎるともう晩御飯食べられなくなっちゃいますよ…お気をつけて…!

5. ナムプリック (Nam Phrik / น้ำพริก) — 食卓の真ん中にある、愛すべきディップ

Takeaway, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
エミ@弾丸アクティブトラベラー

伝統的な北タイ=ランナーの食卓には、ナムプリックがよく登場します。
これは単なるソースではなく、食事全体の味の核になる存在。
特に、緑の『ヌム』と赤い『オーン』は個性が全く違うので、ぜひ両方試してみてください。

さて、ケープムーの相棒であるナムプリックは、唐辛子を使ったディップの総称で、伝統的なランナーの食卓に欠かせない存在です。
もち米や野菜、揚げた豚皮(ケープムー)などにつけて食べます。
たくさん種類がありますが、まずは代表的なこの二つをぜひ。

特徴ナムプリック・ヌム(緑)ナムプリック・オーン(赤)
主材料焼き青唐辛子、ニンニク、赤玉ねぎ豚ひき肉、トマト、乾燥唐辛子
緑色、焦げ茶色赤色、オレンジ色
風味燻製の香り、フレッシュ、シャープな辛さ肉のうまみ、トマトの酸味と甘み、まろやか
辛さ中辛〜激辛マイルド〜中辛
調理法焼いてから搗く炒めてから煮込む

*横方向にスクロールできます。

ナムプリック・ヌム (Nam Prik Noom / น้ำพริกหนุ่ม)
肉厚な青唐辛子を直火で焼き、皮を剥いて粗く潰したディップ。
焼いた香ばしさと、青唐辛子のフレッシュでキレのある辛さが特徴です。

ナムプリック・オーン (Nam Prik Ong / น้ำพริกอ่อง)
豚ひき肉と完熟トマトを唐辛子ペーストで煮込んだ、タイ風のミートソースといったところ。
辛さもマイルドで、親しみやすい味わいです。

もっと知れば、もっと美味しい!「北タイ料理」の秘密

さて、ここまでチェンマイを代表する美味しい料理を見てきましたが、どうしてバンコクで食べるタイ料理と、こんなにも違うのでしょうか?
その秘密は、この土地ならではの食文化に隠されています。

ここでは、「北タイ料理」そのものの特徴や、ユニークな食材について、少し触れてみます。

中央タイ(バンコク)の料理との違い

ねこマイ@チェンマイのねこ

ランナー料理の根っこには、この土地の風土と歴史そのものだ。
山に囲まれた場所で、人々がどう自然の恵みを活かし、美味しく保存してきたか。
その知恵が、今の料理の味を作っている。
例えば、ココナッツがあまり採れなかったので、甘さ控えめでハーブが香る料理が発展した。
人間の工夫てちょっと変な時あるけど、でもいつも感心する。

ランナー料理、つまりタイ北部料理は、他の地域のタイ料理とははっきりと違う個性を持っています。

一番の違いは、味の組み立て方かもしれません。

特徴ランナー料理(北部)中央タイ料理(バンコク風)
主食もち米(カオニャオ)うるち米(カオスワイ)
味の基本ハーブの香り、塩味、酸味、発酵のうまみ甘味、辛味、塩味のバランス
ココナッツミルク限定的に使用(カオソーイなど例外あり)豊富に使用
砂糖あまり使用しない一般的に使用
調理法グリル、蒸し料理、煮込み、クワ(乾煎り)炒め物、カレー、スープ
代表的なハーブ・スパイスマクウェン、トゥアナオ、ドークギョウスイートバジル、カピ(シュリンプペースト)

*横方向にスクロールできます。

中央タイ料理がココナッツミルクの甘みを豊かに使うのに対して、ランナー料理はもっとハーブの香りを大切にしていて、塩味や酸味、そして発酵食品の深いうまみが味の土台になっています。

そしてなにより、主食がカオニャオ (Khao Niao / ข้าวเหนียว) という「もち米」なのが大きな特徴です。
これを手で一口サイズに丸めて、おかずやディップと一緒に食べるのが、こちらランナーのスタイルなんですよ。

味の決め手!ユニークな地元の食材たち

ハナ@のんびりノマドトラベラー

市場を歩いていると、見たことのない野菜やスパイスに出会えるのがチェンマイの面白いところです
地元の人がどうやってこれらを使っているのかを想像しながら市場を巡ると、旅の解像度がぐっと上がりますよ

ランナー料理の個性的な風味は、この土地ならではの食材たちが生み出しています。
旅の途中で、ぜひその名前と香りを覚えてみてください。

  • トゥアナオ (Thua Nao / ถั่วเน่า)
    大豆を発酵させて作るペースト状、または乾燥シート状の調味料。
    「タイの納豆」なんて呼ばれることもあります。
    エビを発酵させたカピが手に入りにくい内陸で、うまみ調味料として発展しました。
  • マクウェン (Makhwaen / มะแขว่น)
    日本の山椒や中国の花椒に似た、柑橘系の爽やかな香りと、舌がピリリと痺れるような刺激が特徴のスパイス。
    特に北部のラープには欠かせない存在で、これがあるかないかで、全く違う料理になります。
  • ドークギョウ (Dok Ngiao / ดอกงิ้ว)
    赤い花を咲かせるキワタノキの花のがくを乾燥させたもの。
    主に麺料理「カノムジーン・ナムギョウ (Khanom Chin Nam Ngiao / ขนมจีนน้ำเงี้ยว)」に使われます。
    味はあまりありませんが、スープに独特の風味と食感を加えてくれる、名脇役です。

もっとディープに!地元で愛される郷土料理

代表的な料理で北タイ料理の魅力に触れたら、次はもう一歩、地元の人たちが普段食べているような、ディープな味にも挑戦してみませんか?

探求すべきランナーの味覚

観光客向けのレストランも良いですが、こうした郷土料理にこそ、昔ながらの暮らしの知恵が詰まっていますよね。そういった知恵にふれるとき、「ああ旅をしているんだな」と心から実感することができます。
残り物を美味しく再生させる『ゲーン・ホー』、バナナの葉で旨味を閉じ込める『エーップ』など、自然と共に生きてきた人々の工夫が、今の時代にも受け継がれています。

  • ラープ・クア (Laab Khua / ลาบคั่ว)
    イサーン地方のライムが効いた爽やかなラープとは全くの別物。
    ひき肉をマクウェンなどの乾燥スパイスと炒め煮にした、スパイシーでコク深い一品です。
  • ゲーン・ホー (Gaeng Ho / แกงโฮะ)
    「寄せ集める」という名の通り、残ったカレーやおかずを春雨などと炒め合わせた、いわば「ランナー風チャンプルー」
    食材を無駄にしない知恵から生まれました。
  • エーップ (Aeb / แอ็บ)
    魚や豚ひき肉などをカレーペーストで和え、バナナの葉で包んで炭火で蒸し焼きにした料理。
    バナナの葉の香りがごちそうです。
  • チン・ソム / ネーム (Chin Som / Naem / จิ๊นส้ม / แหนม)
    豚肉やもち米などをバナナの葉に包んで発酵させた、酸味の強い生ソーセージ。
    焼いて食べても美味しいですよ。

興味が出てきた方は、
Wikipediaの「List of Thai dishes(タイ料理のリスト)」をチェックすると楽しいですよ。
タイ語表記だけでなくその読みがアルファベットで、そして英語名も記載されているのでわかりやすいです。
北タイ料理は表の中の「Region」が「North」となっているものです。

タイ料理も、日本と同じように、バラエティ豊富で地域色が豊か!
何度行っても飽きない、リピーターがおおい理由の一つかもしれません。

ハナ@のんびりノマドトラベラー

わたしもまだまだ味わったことのない料理がいっぱい!
チェンマイを訪ねる度に、1皿ずつ新しい味を探求していきたいです。
あなたのお気に入りは、なんですか?

おわりに

チェンマイの食、いかがでしたか?
一皿の料理の向こう側にある歴史や文化の物語を知ると、いつもの食事がもっと楽しく、思い出深いものになりますよね。

さて、何から食べよう、どこで食べよう、とワクワクしてしまいます。

また、チェンマイでは外国人向けにタイ料理教室がたくさんあり、毎日多くの観光客がエプロンをつけてチェンマイの本場の味に挑戦しています。
半日〜1日コースがあるので、旅の時間に余裕がある方はぜひトライしていてくださいね!

きっともっと、タイ料理・北タイ料理が好きになりますよ。


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